武士から王へ―お上の物語 (ちくま新書) 作者: 本郷和人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/10メディア: 新書購入: 2人 クリック: 55回この商品を含むブログ (35件) を見る 本郷和人『武士から王へ』*1から抜書き; 中世の初めの時点での日本と朝鮮半島を比較すると、興味深い史実に気付く。平家政権と高麗の武人政権の類似である。高麗王朝は唐や宋王朝を参考にしながら、文臣(文班)と武臣(武班)の二つの班からなる官僚制度を採用した。これが現代の朝鮮半島でもしばしば言及される両班である。 朝鮮半島では古くから、文が上で武が下、文臣が上位で武臣が下位という秩序が構築されていた。私領を経営して私兵を養い、実力を蓄積しながら文臣に抑圧されていた武臣たちは一一七〇年にクーデターを起こして多くの文臣を殺害、武臣の鄭仲天が国王を廃位して武臣政権を打ち立てた。鄭仲天、李義旼は政権の座におい