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ブックマーク / workhorse.cocolog-nifty.com (10)

  • 民主党の最適戦略(下) - マーケットの馬車馬

    前回の冒頭で、筆者は2種類の疑問を提示した。ひとつは「対立軸を設定することが民主党のためになるのか?」ということであり、もうひとつは「対立軸を設定することが国民のためになるのか?」ということだった。前回は一つ目の疑問に議論を絞り、「二大政党制の下では対立軸の設定は自殺行為であり、むしろ大多数の国民が何を望んでいるかにのみ注目すべきだ」ということを書いた(逆に言うと、二大政党制というシステムは、余計な政党間の駆け引きを無視して「国民の為に政策を練る」ことを奨励する仕組みだということになる)。 今回は、後者の「対立軸がなくなってしまっては、国民は政策の選択肢を失ってしまう。国民に選択の機会を与えるためには、対立軸を明確に示す必要がある(だから、前回説明したようなマーケティング的な考え方は不純)」という意見を考えて見ることにしたい(「玄倉川の岸辺」氏のTBからアイデアを得て文末に大幅に追記。)。

    民主党の最適戦略(下) - マーケットの馬車馬
  • マーケットの馬車馬: 民主党の最適戦略(上)

    現実逃避気味にGoogle Newsを眺めていると、なにやら民主党の前原代表に党内からの批判続出、という記事を見つけた。中国で小泉首相張りの強硬な態度を示して見たり、党内左派置いてけぼりの保守風味なコメントをかましまくっているのが問題であるらしい。見出しを眺めているときは「寄り合い所帯は色々と大変ですな」程度の感想しかなかったのだが、つらつらと読んでいて『有権者の選択肢となるべき対立軸を示し得ていないことが「民主党の最大の弱点」と認めた』というくだりが気になった。 要するに、自民党が賛成することには反対し、反対することには賛成しないと、自民党との違いをアピールできない、それでは選挙を戦えない、という話なのだろう。こういう論調は結構頻繁に見かける気がするし、実際「野党が与党の法案にほいほいと賛成すべきではない」といった価値観は結構一般的であるような気がする。しかし、選挙に勝つのに当に「対立

    マーケットの馬車馬: 民主党の最適戦略(上)
  • 今週のThe Economist:日はまた昇る - マーケットの馬車馬

    原題:A survey of Japan: The sun also rises (October 8th, 2005) 当は靖国カードの話の代わりにこの話を書くつもりだったのだが、すっかり遅くなってしまった。この特集はEconomist誌が月に1度くらいやっている各国特集のひとつで、15ページほど使って政治経済外交の諸問題を解説する、という趣旨になっている。「靖国カードが消える日」で紹介した記事は、この特集の一部分だ。 特集の題はもちろん靖国ではなく、日が長い低迷から復活したのかどうか、政経両面から概観している。以下、特集の内容を簡単に紹介してみたい。 日の「見えない革命」 The Economistが(というか、著者のビル・エモットが)この特集で再三にわたって強調するのは、過去15年間ただひたすらに停滞していたような日では、実はゆっくり、しかし着実に改革が進んでいたのだという

    今週のThe Economist:日はまた昇る - マーケットの馬車馬
  • 平和主義を唱える人たちへ - マーケットの馬車馬

    少し前の話になるのだが、駅前で辻立ちをやっていた共産党の市議会議員(多分)が「世界の全ての人が平和を望めば平和はやってくるのです。なのに・・・」とか何とか言っているのを聞いた。その時は「宗教がかってるなぁ」と思っただけで通り過ぎたのだが、後になって少し考え直した。それが実現可能だと思っている人は少ないにしても、「みんなが望めば平和になる」と考えている人、それを(無意識のうちに)前提にして平和や戦争を語る人は結構多いのではないか、と。 筆者はこの「みんなが平和を願えば平和は訪れる」という考え方がどうしても好きになれない。正直言って、思考停止の言い訳に使っているとしか思えないのだ。今回はそのあたりのことを考えてみたい。 結論から言えば、地球上の60億人の人間全てが、一人の例外も無く平和を心の底から望んだとしても、平和が訪れる事はありえない。平和を望むことと、平和という状態を作ることの間にはなん

    平和主義を唱える人たちへ - マーケットの馬車馬
  • 大丈夫か韓国(4) 困った隣人との付き合い方 - マーケットの馬車馬

    1ヶ月ほどかけて、つらつらと韓国の置かれた現状を眺めてきたわけだが、最後に第1回の最後に書いた問いかけに戻りたい。この韓国に対して、今後日はどう付き合っていくべきなのだろうか? 過去3回、政治経済の両面で韓国の置かれている状況が危ういこと、日と比べてある意味劣位にあることを説明してきた。では、日はこの優位な状況を生かして韓国に対して十分な影響力を行使できるだろうか?答えはノーだ。とことんまで単純化すると、外交戦略(というより、交渉戦略)には2種類しかない。アメとムチだ。たとえ対等の同盟関係であろうと、「言う事を聞いたらごほうびをあげますよ」か、「言うこと聞かなかったら痛い目に合うぞ」のどちらかが同盟関係維持の根底にある。そして、どちらのアプローチも実行するにはそれなりのコストがかかる。アメをあげるにはこちらの権益を譲らないといけないし、ムチをくれるにしても(例えば)経済制裁は韓国のみ

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  • 大丈夫か韓国(3) 大貧民爆弾が炸裂する日 - マーケットの馬車馬

    筆者が1週間ほど出張でネット環境を離れている間に、韓国はなんだか「挙げた腕の振り下ろし所に困る状況」になってしまっているようで、正直旬を逸した感もあるのだが、今回で一旦韓国シリーズのまとめとしたい。 前回前々回と、韓国が大国に囲まれているせいで生じた悲喜こもごもをお伝えしてきたわけだが、韓国にはもうひとつ頭痛の種がある。言うまでも無く北朝鮮のことだ。ロシア中国両方に国境を接しており、ロシアにとってはウラジオストックを扼する要所、中国にとっては日海への橋頭堡。まぁその辺りは前々回に強調したので措いておくが、なによりもまずいのはこの国の経済状況だ。一人当たりGDPは1000ドル弱。日の30分の1。最貧国に入るか入らないかのぎりぎりに位置する。 冷静に考えると、韓国にとって北朝鮮を吸収する意味はない。肉体労働以外はほとんど生産性の期待できない2000万人に、農業に適さない不毛な大地と(南朝

    大丈夫か韓国(3) 大貧民爆弾が炸裂する日 - マーケットの馬車馬
  • 大丈夫か韓国(2) 「相対的」弱小国の悲哀 - マーケットの馬車馬

    前回、この韓国のネタは半年前から考えていたと書いたが、半年間も放置していたのはこの記事を書くのが面倒くさかったからだ。政治ネタと違って、経済ネタでは思考実験だけで全てを片付けるわけにはいかない。ある程度統計資料でファクトを重ねないと、まともな議論にならないのだ(もちろん、こう感じるのは筆者が経済学を学んだからで、政治学を学ぶ人には別の感想があろうが)。 今回も比較的地政学っぽい議論なのだが、経済・ビジネスな側面から韓国のおかれた状態を考えて見たい。 韓国、その不幸すぎる立地条件(再び) 実のところ、韓国というのは立派な大国だ。こちらのランキングを見ると、世界のGDPランキング(PPPベース、注1)で韓国は14位。流石にG7には及ばないが、日中国を除けばアジアNo.1。人口が4倍のインドネシアよりも経済規模は大きく、人口規模が大差ないタイと比べると倍近いGDPを誇っている。ヨーロッパと比

    大丈夫か韓国(2) 「相対的」弱小国の悲哀 - マーケットの馬車馬
  • 大丈夫か韓国(1) 日韓「同盟」はありえない - マーケットの馬車馬

    と書くと昨今の韓国のヒステリーに脊髄反射したと思われそうなのだが、実は半年前から考えていたネタであったりする。最近の韓国の行動が見事に予想の斜め上を逝ったので、大半書き直す羽目になったが。 今回の騒動で面白いのは、韓国人の反応というよりもそれに対する日人の反応であるように思う。単に筆者の友人が偏っているだけなのかもしれないが、それほど嫌韓で盛り上がっていない。どちらかというと、呆れるか、戸惑っているか。「何考えてるか理解できん」ので、怒るところまで感情が届いていないようにも見える。 今韓国は間違いなく戦後最大の国難の時期に差し掛かっている。北朝鮮はどうなるか分からない、中国は着実に力をつけている、米軍はトランスフォーメーションに邁進する、ロシアはプーチンの強力な指導力で安定しつつあるし、日では政治家の世代交代もあって明らかに外交戦略が変化しつつある。ついでに景気もよろしくない。個人破産

    大丈夫か韓国(1) 日韓「同盟」はありえない - マーケットの馬車馬
  • 「靖国」カードが消える日 - マーケットの馬車馬

    当はThe Economistの日特集を取り上げる予定だったのだが(先週に…)、なんだか色々と時間がかかりそうなので先に流行りネタを片付けておきたい。 恐らく日人の9割5分と中国人の6割ぐらいが当たり前に予想していた小泉首相の靖国参拝でマスコミが大盛り上がりしている。正直、微妙に盛り上がりどころが掴めないのだが(5回目だし、正直マスコミの盛り上げも左翼な人たちの批判も聞き飽きた)、ちょうどThe Economistの先週号で靖国や中韓関連の特集が組まれていたので、軽く紹介しておきたい。 (10月21日文末に追記) The Economistが見た靖国 The Economistの靖国神社についての説明はなかなか良くできている。基的にはどこの国にもある戦没者慰霊のための場所であること、A級戦犯の分祀はできないとされる理由、過去30年間に渡って天皇は参拝していないものの、例大祭ではその

    「靖国」カードが消える日 - マーケットの馬車馬
  • 統計には誤差があるんですってば - マーケットの馬車馬

    このブログは最近は隔週刊を目安にしているので、今日はエントリーを書く気はなかったのだが、週末にこんなアツいネタを用意されてしまっては書かないわけにも行かない。これは何かの挑戦ですか朝日新聞社。 要するに、朝日新聞社の社員が小泉首相の靖国参拝についての世論調査の解釈を巡って大激論の末に乱闘騒ぎになって警察が呼ばれた、というしみじみと味わい深いイベントがありました、ということらしい。ただ、筆者はこの乱闘騒ぎそれ自体についてどうこう言うつもりはない。オトコノコたるもの、拳で友情を語り合うのは至極自然な事である。日が誇るクオリティペーパーの社員が40になっても青春の輝きを保ち続けていたという事実に、筆者は日の将来の明るい輝きを見た思いがした。後は来月あたりに、彼らが肩を組んで夕日へ向かって歩み去る姿を築地界隈で見る事が出来るかどうか、それだけが関心事だ。 で、一体彼らはどんな問題にその青春の熱

    統計には誤差があるんですってば - マーケットの馬車馬
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