「飽職の時代」とホワハラ—情報洪水に沈むキャリア選びと短期離職 ｜久松剛

ここのところ、「ホワハラ（ホワイトハラスメント）」という言葉が話題です。上司や先輩が部下や後輩に対して過剰に配慮することで、結果的に成長機会を奪ったり、精神的な負担を与えたりしてしまうのがホワハラとされます。ぬるま湯ではなく、適切な成長環境を求めている若手の声が背景にあります。 管理職の立場からすれば、「強く接すればパワハラ、弱く接すればホワハラ」と言われかねない状況に頭を抱えることになります。「どう接すればいいのか、さっぱり分からない」と戸惑う声も多く聞かれます。 このnoteでも度々データを引用してお話していますが、新卒の短期離職率がグラフ上で著しく増加しているわけではありません。ただし、退職代行やSNSの広がりにより、短期離職の声がこれまで以上に表面化・可視化されている状況があると捉えています。 とはいえ、現場の人事・上司からすれば、「統計情報に表れない短期離職」は日常的に発生してい