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アイヌの祭祀「キタキツネのイオマンテ」が現代人に突きつける答えなき問い | 映画『チロンヌプカムイ イオマンテ』北村皆雄監督に聞く
──なぜアイヌのイオマンテを撮ろうと思われたのでしょう? 映像を撮ったのは、じつは1986年で、いまから... ──なぜアイヌのイオマンテを撮ろうと思われたのでしょう? 映像を撮ったのは、じつは1986年で、いまから35年前のことです。それまで僕は沖縄の久高島や西表島の神事にまつわる映像を撮っていて、アイヌのほうには目が行っていなかった。 でもどういうわけか、和人ながらアイヌ名を持つ堤大司郞という写真家から、北海道の屈斜路湖畔でキタキツネの霊送りを75年ぶりにやるから撮影しないかという話が来ました。 それがきっかけで、初めてアイヌのことを少し勉強して、撮影させてもらいました。いずれ本格的な映画を作ろうと思いつつ、結局35年も放っていたんですが……。 いまになって映画にした理由は、ふたつあります。ひとつは、民俗資料としても貴重なこの映像記録をなんとしても世に出さねばと思ったからです。 イオマンテを執り行ったのが、当時75歳だった日川善次郎エカシです。この儀礼は当時ですらできる人がほとんどいなかった。そ
2022/04/29 リンク