宮崎駿監督の傑作漫画『風の谷のナウシカ』を徹底的に読み解くこの連載、今回はモスクワ大学で教えるロシア文学者・佐藤雄亮さんにお話をうかがいます。佐藤さんは、史上最高の文学作品と称されるレフ・トルストイ作『戦争と平和』と『ナウシカ』のテーマの共通性、さらにはトルストイと宮崎駿監督の心を占める「人類は滅びるしかないのか」という絶望的な問いかけについて考察します。『ナウシカ』と『戦争と平和』が試みた「背水の陣の実験」とは何か。宮崎さんが描いていた「ナウシカの前日譚(たん)」とは? 百数十年の歳月を超えて共振する二つの物語は、私たちに何を伝えようとしているのでしょうか。 ――以前、『戦争と平和』について佐藤さんにお話をうかがった時、作品の世界観や目指すところが、漫画『ナウシカ』と直接響き合っていると感じました。それで僕からお願いして『ナウシカ』を読んでいただいたのですがいかがだったでしょう。 この2
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