イスラム科学や西欧中世の科学に比べて、科学史におけるビザンツの貢献への関心は概して薄い。 ビザンチンの学者たちは上記のような知的優位にあったにもかかわらず、彼らの良き富を利用しなかった。「学問の園」は科学史、自然哲学史においてほとんど何も花を咲かせなかった。しかしながらこれらの学問領域におけるビザンチンの成果に関するどんな判断も、これらの学科に関する文献の大部分がいまだ出版されておらず、それゆえ大部分読まれていないということを理解した上で下されなければならない。*1 せいぜいギリシア語古典文献の保存者として特筆されるくらいである。 ビザンチンの学者たちが、そうであると思われるのだが、自然哲学や科学において知的に生産的でなかったと思われるが、それはどうしてかということを知ることも重要ではあるけれども、彼らの本当の知的重要性はギリシアの科学的伝統の保存と伝達というところにあるということを認める