根本的に家族として崩壊したまま、現実は上滑りしていった。あの破綻以来、徐々に勉強は分からなくなって行ったが、それでも祖父が周囲に自慢できるほどの進学校には進んだ。入試後の気の抜けた雰囲気の校内で、沈み込むオレを見てクラスメイト達は入試に落ちたのだと噂した。
混乱し誤魔化し続けた現実のまま、ある日祖父は心臓発作で亡くなった。これまで祖父の目を盗んで金を統一教会に流していた母を咎める者はもういない。全てを手にした母は、韓国人が選民と信じる者にしか存在しない対価と引き換えに全てを引き渡し、そして言った。「祖父の会社に負債があった」と。
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