「人間の利益を“人間だから”という理由で優先して、動物には“動物だから”という理由で配慮しないことは、その存在が 属している生物種によって配慮するかしないかを非合理的に選択する、種差別(生物種による差別)である。これは、白人の利益を“白人だから”という理由で 優先して、黒人には“黒人だから”という理由で配慮しないという、人種差別と同じような問題である」 ピーター・シンガーが『動物の解放』や『実践の倫理』で行った「種差別」に関する議論は、動物の虐待が他の社会問題と同様に社会正義の問題 であると人々を説得させて動物の権利運動を活性化さたという点で、現在にいたるまで社会的な影響を持っている。*1。また、動物倫理のみならず生命倫理・環境倫理などの応用倫理学の諸分野でも「種差別」に関する議論は重要なテーマであり、シンガーへの反対・賛成問わずに、様々な倫理学者が「種差別」について議論し続けている。 T
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