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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (66)

  • ピーター・シンガーによる「種差別」の議論 - 道徳的動物日記

    「人間の利益を“人間だから”という理由で優先して、動物には“動物だから”という理由で配慮しないことは、その存在が 属している生物種によって配慮するかしないかを非合理的に選択する、種差別(生物種による差別)である。これは、白人の利益を“白人だから”という理由で 優先して、黒人には“黒人だから”という理由で配慮しないという、人種差別と同じような問題である」 ピーター・シンガーが『動物の解放』や『実践の倫理』で行った「種差別」に関する議論は、動物の虐待が他の社会問題と同様に社会正義の問題 であると人々を説得させて動物の権利運動を活性化さたという点で、現在にいたるまで社会的な影響を持っている。*1。また、動物倫理のみならず生命倫理・環境倫理などの応用倫理学の諸分野でも「種差別」に関する議論は重要なテーマであり、シンガーへの反対・賛成問わずに、様々な倫理学者が「種差別」について議論し続けている。 T

    ピーター・シンガーによる「種差別」の議論 - 道徳的動物日記
  • ピーター・シンガーの「利益に対する平等な配慮」の原理 - 道徳的動物日記

    ピーター・シンガーが『動物の解放』で行った主張の要点は、以下のようなものである。 「動物は、人間と同じように、道徳的な配慮の対象となる」 「現在の社会において人間が動物たちに行っていること(畜産や動物実験など)は、人間の利益を優先して動物に配慮せず、動物を利用して多大な苦痛を与えて殺害をしているので、非道徳的である」 「人間の利益を“人間だから”という理由で優先して、動物には“動物だから”という理由で配慮しないことは、その存在が属している生物種によって配慮するかしないかを非合理的に選択する、種差別(生物種による差別)である。これは、白人の利益を“白人だから”という理由で優先して、黒人には“黒人だから”という理由で配慮しないという、人種差別と同じような問題である」 「動物への配慮は、人間の弱者への配慮と同じように、正義と平等の原理が要求する問題である。正義と平等の問題であるということは、動物

    ピーター・シンガーの「利益に対する平等な配慮」の原理 - 道徳的動物日記
  • ピーター・シンガーの『動物の解放』 - 道徳的動物日記

    現在、欧米やアジアなどの世界各国で「動物の権利運動」が行われている。 動物の権利運動は「人間の利益のために、動物を利用・搾取する制度」を批判する。具体的には、大規模な集約式畜産制度・学問研究や新製品開発のための動物実験制度・動物の毛皮を利用した服や装飾品の作成と販売・サーカスや水族館などでの動物を用いた興行・闘牛や闘鶏、などの制度や慣習を批判し、大規模な規制か完全な撤廃を主張する。これらの制度や慣習はいずれも動物に多大な苦痛を与えて殺害するものであり、人間に多大な苦痛を与えて殺害する制度が非道徳的であることと同じように非道徳的である、ということが動物の権利運動の主張である。 英米では19世紀から動物愛護運動が存在しているが、過去の運動の対象は主に犬・といったコンパニオンアニマルであり、野良犬・野良の救済や個人によるペット虐待の取り締まりなどは主張しても、肉の撤廃は主張していなかった。

    ピーター・シンガーの『動物の解放』 - 道徳的動物日記
  • 「動物は道徳的地位を持つ」という主張 - 道徳的動物日記

    ・「動物の権利論」や「動物開放論」と呼ばれる議論の基となる主張は「私たちは、動物に対して、直接的な義務を負っている」という主張である。これは「動物は道徳的地位を持つ」という主張でもある。 今回は、ジェイムズ・レイチェルズの議論を参考にしながら、「動物は道徳的地位を持つ」という主張について紹介したい。 倫理学に答えはあるか―ポスト・ヒューマニズムの視点から― 作者: ジェームズレイチェルズ,古牧徳生,次田憲和 出版社/メーカー: 世界思想社 発売日: 2011/04/21 メディア: 単行 クリック: 10回 この商品を含むブログ (1件) を見る ・動物に関係する義務は、他のの義務を経由した間接的なものと、動物に対して直接的に持つ義務とに分けられる。 例えば、海外旅行に行く友人に、旅行中に彼の飼いの世話をすることを約束すれば、そのの世話をすることは義務となるだろう。 しかし、この義

    「動物は道徳的地位を持つ」という主張 - 道徳的動物日記
  • ケネディ大使は「イルカを「ヒトに相当する」と見なしている」のか? / 「inhumane」を「非人道的」と訳すべきか? - 道徳的動物日記

    Twitterやブックマークでも書いたが、せっかくなのでここにも掲載。 なぜ米国はイルカ漁に敏感なのか? 米大使が批判発言 /早稲田塾講師 坂東太郎のよくわかる時事用語 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140124-00000004-wordleaf-int&p=1 この記事について。 ・ケネディ大使は以下のようにツイートした。 米国政府はイルカの追い込み漁に反対します。イルカが殺される追い込み漁の非人道性について深く懸念しています。— キャロライン・ケネディ駐日米国大使 (@CarolineKennedy) 2014, 1月 18 この文中の「非人道性」という言葉を取り上げて、記事の著者は、「ケネディ大使の「非人道性」とは何でしょうか。来この言葉はヒトがヒトにゆえなき害を与える行為に使います。もちろん動物愛護の観点からも用いてもおかしくありません

    ケネディ大使は「イルカを「ヒトに相当する」と見なしている」のか? / 「inhumane」を「非人道的」と訳すべきか? - 道徳的動物日記
  • ジョナサン・ハイト 『しあわせ仮説』 (1) 自分の強みを活かして、充足を得る - 道徳的動物日記

    しあわせ仮説 作者: ジョナサン・ハイト,藤澤隆史,藤澤玲子 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2011/07/06 メディア: 単行 購入: 12人 クリック: 226回 この商品を含むブログ (9件) を見る ・昨年があまり順調ではなく、終始不幸感に苦しめられていたこと。また、今年も修論提出以降の人生の見通しが全く経っておらず、フリーターかニートになりそうであり、今年や来年以降に状況が改善する見込みもないので、終始不幸感に苦しめられることが予測されている………ということで、心持ちだけでもポジティブにして幸せになろうと思い、ポジティブ心理学と哲学とを融合させたこのを読むことを決意。 ・序章で、仏陀やストア派の哲学者が主張するような「幸福は心の内側からもたらされるものであり、世界を自らの欲望に沿うようにすることでは得られない」という主張を、フラストレーションへの対応策としては有効だ

    ジョナサン・ハイト 『しあわせ仮説』 (1) 自分の強みを活かして、充足を得る - 道徳的動物日記
    fromAmbertoZen
    fromAmbertoZen 2014/01/03
    ペンシルバニア大学ポジティブ心理学公式サイトの診断テスト、受けてみようかな。