神戸新聞NEXT｜総合｜古い映画フィルムの劣化深刻… 支援や対策不可欠古いフィルムは酸っぱい臭いを発することがある。「ビネガーシンドローム」と呼ばれる経年劣化の症状で、進行を止めることは不可能。再生不能な状態になる前に、複製を作ることが必要だ。 古いフィルムのベースとなる素材は、高温多湿な環境で化学反応が加速し、酢酸ガスなどを発生させる。これにより、フィルムはワカメ状に波打ったり、縮んだりと変形し、退色も進むという。画像を形作る乳剤にも影響し、粉を吹いて、べとつき始め、フィルムを巻き取る際に剥離を招く。 「症状は思っている以上に一気に進む」と安井喜雄・神戸映画資料館長。ほかのフィルムに“感染”する危険もあり、対策は多くの施設で悩みの種だ。 適切な温度や湿度で管理すれば、寿命は１００年以上とされる。しかし、そうした環境で保存されてきた古いフィルムはごく一部。保存設備のある受け入れ先は現在でも限られており、調湿シートや定期的な巻き返しなどで劣化を食い止めているの
