久保利明王将ら地元ゆかりのプロ棋士を多数輩出する兵庫県加古川市が、将棋を活用した認知症の予防研究に乗り出した。年末まで60歳以上の愛好家ら約60人を対象に効果を調査する計画で、市の担当者は「将棋による健康づくりを全国に発信し、さらなる普及につなげたい」と意気込んでいる。(木下未希) 「ストレスを軽減することで集中力や判断力が高まり、将棋がうまくなる」。9月下旬、加古川市内の「かこがわ将棋プラザ」。集まった高齢の将棋愛好家ら約60人を前に、心理学の専門家がアドバイスした。 現役プロ棋士の出身者や在住者が5人もいることから、「棋士のまち加古川」を掲げる加古川市。講座は日本将棋連盟などに委託した将棋の効能調査の一環だ。藤井聡太四段を中心に巻き起こった将棋ブームを受け、将棋の新たな可能性を見いだそうと企画したという。