ず〜っと、気になっている名前があるんです。書店に行って文庫の棚あたりを通りかかると、あ・い・う・・・う・・・う・え・だ と探している著者なのです。上田三四二さん。 そのお名前をはじめて目にしたのは、木下杢太郎の「百花譜百選」の復刻出版案内パンフの中に、何人かの追悼文章が採録掲載してあり、そのなかの1人としてでした。 過不足のない、まったく無駄のない文章というか、必要な言葉が必要とされる場所にきちんと置かれた文章。端正でありながら、哀悼の痛切さが読む者に深い感銘を与える文章でした。文章の力というものを見せつけられた思いでした。 「無私なる写生にこもる勁い精神」と題された文章が以下です。 「中学で、画家を志して容れられなかったこの万能の才の最後の作品が、『百花譜』であることの意味は量りがたく大きい。 戦中の2年と5ヵ月にわたる歳月は杢太郎にとっては死に直結する歳月であったが、その間における彼の
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