19世紀後半から両大戦間、出版文化は日本とフランスを繋いでいた。 作家や編集者、アートディレクターなどの人びとの営み、そして印刷技術や製本方式、装幀などの「モノ」の文化。 テキストとイメージが協働する挿絵本という「場」を舞台に、「人」「モノ」の織りなす日仏の文化交流を多角的視点より描き出す。 カラー口絵 イントロダクション:日本とフランスの「出版文化」の波打ち際で 林洋子 「画文交響」のたのしみ 芳賀徹 日本からの教示─一八八九年から一九三九年までのフランスにおける多色木版画 フィリップ・ル・ストウム 第Ⅰ部 媒体(メディア)としての書物─文化を越えて結ぶかたち 十九世紀における日本の出板文化 髙木元 和装本から洋装本へ─その試行錯誤と展開 岩切信一郎 日本近代諷刺画成立へのフランスからの影響 清水勲 明治半ばの欧文挿絵本出版状況─長谷川武次郎のちりめん本を中心に 大塚奈奈絵 十九世紀後半