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ブックマーク / www.chuko.co.jp (135)

  • 第1回 大宅賞は辞退から始まった①――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』|web中公新書

    連載は加筆・修正の上、中公新書『現代日を読む―ノンフィクションの名作・問題作』として2020年9月に刊行されました。現在、好評発売中です。連載第3回以降の記事は書籍でお楽しみください。 ■大宅壮一ノンフィクション賞の誕生 1970年4月8日、大宅壮一ノンフィクション賞の授賞式が新橋の第一ホテルで催された。 受賞者は『極限のなかの人間』を著した尾川正二(おかわ・まさつぐ)。もう一人の受賞者となるはずだった『苦海浄土(くがいじょうど)』の著者・石牟礼道子(いしむれ・みちこ)は受賞を辞退したため欠席。会場に現れた受賞者は尾川一人だけだった。 日のノンフィクション界を牽引してきた大宅壮一ノンフィクション賞は、このときが第1回だ。賞を創設することが発表されたのは前年の『文藝春秋』誌上であった。 《「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、現代は、ある意味では「ノンフィクションの時代」といえる

    第1回 大宅賞は辞退から始まった①――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』|web中公新書
  • 『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』/美川圭インタビュー|web中公新書

    ロンドンの大英博物館前にて。2016年秋から1年間の在外研究で、議会政治場イギリスのケンブリッジに滞在した 天皇や上皇を支え、朝廷の政治を動かした、「貴族の中の貴族」ともいうべき公卿(くぎょう)。風雅な趣味に興じ、遊んでばかりいたようなイメージとは異なり、彼らは真面目に政務に取り組み、かなり多忙でもあったという。奈良・平安時代から南北朝期まで、公家社会屈指のエリートたちが繰り広げた「会議」の変遷を『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』にまとめた美川圭さんに話を聞いた。 ――書名にもある公卿とはどういった人ですか。 美川:おおよそ、三位(さんみ)以上の位をもち、大臣、納言(なごん)、参議といった官職についているトップクラスの貴族のことを言います。人数としては20名弱から多くて30名ぐらいまでで、現代でいえば、内閣の国務大臣といったところです。 ――大昔の会議の様子を、後世の我々がうかがい知る

    『公卿会議―論戦する宮廷貴族たち』/美川圭インタビュー|web中公新書
  • 七つの街道|文庫|中央公論新社

    井伏鱒二 著 篠山街道、久慈街道……。古き時代の面影を残す街道を歩いて、史実や文献を辿りつつ、その今昔を風趣豊かに描いた紀行文集。〈巻末エッセイ〉三浦哲郎 書誌データ 初版刊行日2018/10/23 判型文庫判 ページ数272ページ 定価990円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-206648-9 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    七つの街道|文庫|中央公論新社
  • 新書で垣間見る、学者の魂/川添愛|web中公新書

    野崎昭弘『詭弁論理学 改版』 佐藤彰一『剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会』 渡辺正峰『脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦』 現在、新書にもさまざまなものが出ているが、「その道の専門家が書いた、一般向けだが中身のしっかりした」というスタンスを崩さない新書には、普段からたいへんお世話になっている。 中公新書の中でことあるごとに読み返しているのは、野崎昭弘氏の『詭弁論理学』である。馬鹿げた主張がまかり通る世の中にうんざりしている人は多いと思うが、これを読むと、「きちんと論理的に議論する」ことがいかに大変かがよく分かる。著者の野崎氏は偉大な数学者であり論理学の専門家だが、その著者ですらしばしば他人の強弁・詭弁に翻弄されてしまうのだ。しかしその描写はあくまでユーモラスかつチャーミングであり、また豊かな学識に裏打ちされた著者のまっすぐな精神があちこちに垣間見えて、「やっぱり論理

    新書で垣間見る、学者の魂/川添愛|web中公新書
  • マイナーな事物から歴史を見る面白さ/辻田真佐憲|web中公新書

    長谷川公昭『ファシスト群像』 渡辺裕『歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ』 高田博行『ヒトラー演説 熱狂の真実』 「好きな中公新書は何か?」と問われると、古いではあるけれども、まずは『ファシスト群像』を挙げなければならない。ヒトラーやムッソリーニとほぼ同時代のファシストや右翼指導者たちを、これでもかとてんこ盛りした稀有の列伝だ。 フランスのシャルル・モラスやレオン・ドーデ、ベルギーのドグレル、オランダのムッセルト、ポルトガルのサラザール、ハンガリーのサーロシ、ルーマニアのコドレアーヌ、アメリカのペリーやクーン......。ウェブが未成熟だった時代に、私はこれらの名前を書ではじめて知って、右翼思想にもこのような広がりがあったのかとじつに驚いた。 アクション・フランセーズ! アルハンゲル・ミカエル軍団! 帝国ファシスト同盟! 銀シャツ党! アメリカ・ファースト委員会! 明らかに奇妙な組織の名称

    マイナーな事物から歴史を見る面白さ/辻田真佐憲|web中公新書
  • 中公新書の蒐集の世界/溝口哲郎

    中公新書が1962年11月以来刊行され、2018年8月で2500冊を突破することになった。筆者は自分なりのこだわりをもって中公新書を蒐集し、(筆者自身が確認する限り)全点所有するに至った。そこで中公新書の蒐集という点から、2500点が刊行された中公新書の魅力について語ってみたい。 まず、なぜ蒐集対象として中公新書を選んだのか、その理由を簡単に述べよう。中公新書は岩波新書、講談社現代新書とともに新書御三家と呼ばれ、内容のバラエティが豊富で、学術と一般の架け橋として日人の教養を支えてきた。そして中公新書は刊行から56年が経過し、既刊2500冊の中公新書はすべてリスト化され、探書がしやすい点も魅力的である。毎年刊行される目録も、品切れなどの確認のために欠かせないが、特に創刊50周年記念の際に書店にて配布された『中公新書総解説目録』は、増補版や改版の情報も完全に網羅しており、これから中公新書を蒐

    中公新書の蒐集の世界/溝口哲郎
  • 『物語 アラビアの歴史』/蔀勇造インタビュー

    紀元前一千年紀の古代文明から、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、イエメンなどアラビア半島の諸国家の現状までを解説する『物語 アラビアの歴史 知られざる3000年の興亡』を刊行した蔀勇造さんにお話を伺いました。 ――書は、古代から現代までアラビアの歴史を通観するという、スケールの大きなものですが、書の特長をお教えください。 蔀:そもそもアラビアの通史というのが、国の内外を問わず非常に珍しいのではないかと思います。皆さんがよく目にされるのは「アラブの歴史」と銘打った書で、先イスラーム時代のアラビアについてのおざなりの記述に続いて、イスラームの勃興とアラブ・イスラーム軍の征服活動の経過が詳しく語られ、そこから先は、イラクからシリア、エジプトを経てマグリブやアンダルシアに至るまでの地に成立したアラブ系諸王朝の歴史が、時代を追って解説されるというのが一般的なパターンです。 アラビアについては聖地

    『物語 アラビアの歴史』/蔀勇造インタビュー
  • 私の英国史 -福田恆存 著|文庫|中央公論新社

    福田恆存 著 ノルマン人征服前からチャールズ一世処刑まで。史劇さながらに展開する歴代国王の事績を、公正な眼差しで叙述。バートン編「空しき王冠」付。〈解説〉浜崎洋介 書誌データ 初版刊行日2015/2/25 判型文庫判 ページ数384ページ 定価1320円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-206084-5 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    私の英国史 -福田恆存 著|文庫|中央公論新社
  • 日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 -吉田裕 著|新書|中央公論新社

    吉田裕 著 310万人に及ぶ日人犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高い餓死率、30万人を超えた海没死、戦場での自殺と「処置」、特攻、体力が劣悪化した補充兵、に鮫皮まで使用した物資欠乏……。勇猛と語られる日兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験を強いられた現実を描く。アジア・太平洋賞特別賞、新書大賞受賞 書誌データ 初版刊行日2017/12/21 判型新書判 ページ数248ページ 定価902円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102465-7 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA 書評掲載案内 ・読売新聞(朝刊)2020年8月22日/著者インタビュー ・東京新聞(朝

    日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 -吉田裕 著|新書|中央公論新社
  • 「日本文化論」の変容 -青木保 著|文庫|中央公論新社

    戦後日文化とアイデンティティー 青木保 著 「日独自性神話」をもつくり出した、その論議の移り変わりを、戦後の流れのなかで把えなおした力作。吉野作造賞を受賞したロングセラーの文庫化。 書誌データ 初版刊行日1999/4/18 判型文庫判 ページ数216ページ 定価649円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-203399-3 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    「日本文化論」の変容 -青木保 著|文庫|中央公論新社
  • web中公新書

    中公新書と約50年/斎藤真理子 平野敬一『マザー・グースの唄 イギリスの伝承童謡』 姜徳相『関東大震災』 山浩貴『現代美術史 欧米、日トランスナショナル』 初めて自分で新書を買ったのは中学3年生のときで…[続きはこちら] 2023/08/23 同時代を生きた政治家の対比/安達貴教 早野透『田中角栄 戦後日の悲しき自画像』 福永文夫『大平正芳 「戦後保守」とは何か』 服部龍二『中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡』 評者は、経済学を生業とする者であるが、現代…[続きはこちら] 2023/02/21

  • 人生の一部である中公新書/finalvent(ファイナルベント)

    河合隼雄『無意識の構造』 野崎昭弘『詭弁論理学』 岡田英弘『倭国 東アジア世界の中で』 いかにも宣伝を買って出るようで気恥ずかしいのだが、読書が生きがいとも言える自分にとって、昨今の中公新書の「名著、刷新!」と銘打つ改版ほど嬉しいことはない。そのが、自分の人生の一部であったことが「きちんと」確認できるからだ。 『無意識の構造』の改版が2017年5月に刊行されたことを知ったときは思わず声を上げた。感激である。その年、60歳になった私は、16歳の自分をまざまざと思い出した。1974年が明けた1月、NHK教育テレビで河合隼雄の「無意識の構造」という市民大学講座が始まった。月曜日と水曜日の週二回、朝の6時半から7時。私は全24回を欠かさず見た。当時フロイトに興味を持っていた私は、ユング心理学にも関心を移していた。河合先生は、ただテレビ画面に講師がひとり向かうのでは味気ないということで、女子学生

    人生の一部である中公新書/finalvent(ファイナルベント)
  • 中央公論新社

    垣谷美雨さん『老後の資金がありません』が 天海祐希さん主演で映画化! 2021年10月30日いよいよ公開

    中央公論新社
  • 精神の政治学 -ポール・ヴァレリー 著 吉田健一 訳|文庫|中央公論新社

    ポール・ヴァレリー 著 吉田健一 訳 表題作ほか「知性に就て」「地中海の感興」「レオナルドと哲学者達」の全四篇を収める。巻末に吉田健一の単行未収録エッセイを併録。〈解説〉四方田犬彦 書誌データ 初版刊行日2017/12/22 判型文庫判 ページ数256ページ 定価946円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-206505-5 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    精神の政治学 -ポール・ヴァレリー 著 吉田健一 訳|文庫|中央公論新社
  • 兼好法師 -小川剛生 著|新書|中央公論新社

    徒然草に記されなかった真実 小川剛生 著 兼好は鎌倉時代後期に京都・吉田神社の神職である卜部家に生まれた。六位蔵人・左兵衛佐となり朝廷に仕えた後、出家して「徒然草」を著す――。この、現在広く知られる彼の出自や経歴は、兼好没後に捏造されたものである。著者は同時代史料をつぶさに調べ、鎌倉、京都、伊勢に残る足跡を辿りながら、「徒然草」の再解釈を試みる。無位無官のまま、自らの才知で中世社会を渡り歩いた「都市の隠者」の正体を明らかにする。 書誌データ 初版刊行日2017/11/21 判型新書判 ページ数258ページ 定価902円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-102463-3 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA 書評掲載案内 ・東京新聞(朝刊)2019年5月19日/栗原裕一郎(評論家) ・日歴史2018年5月

    兼好法師 -小川剛生 著|新書|中央公論新社
  • 俳人風狂列伝 -石川桂郎 著|文庫|中央公論新社

    石川桂郎 著 種田山頭火、尾崎放哉、高橋鏡太郎、西東三鬼……。破滅型、漂泊型の十一名の俳人たちの強烈な個性と凄まじい生きざまと文学を描く。読売文学賞受賞作。 書誌データ 初版刊行日2017/11/22 判型文庫判 ページ数288ページ 定価1100円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-206478-2 書店の在庫を確認 ❑紀伊國屋書店 ❑丸善&ジュンク堂書店 ❑旭屋書店  ❑有隣堂  ❑TSUTAYA

    俳人風狂列伝 -石川桂郎 著|文庫|中央公論新社
  • 『斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史』/榎村寛之インタビュー

    天皇の代替わりごとに占いで選ばれた未婚の皇女が伊勢に赴き、伊勢神宮に祈りを捧げる――飛鳥時代から鎌倉時代まで660年間つづいた斎宮について、30年以上にわたり研究し、このたび『斎宮―伊勢斎王たちが生きた古代史』を刊行した榎村寛之・三重県立斎宮歴史博物館学芸普及課長にお話を伺いました。 ――書の「あとがき」には、斎宮跡をはじめて訪れたときから35年、斎宮に関わりはじめて30年とあります。この間、ずっと斎宮について研究を続けてきた原動力とはなんでしょうか。 榎村:斎宮の研究は、歴史学や国文学が主流ですが、美術史学や民俗学などとも関わりが深く、近年研究の進んで来た分野、たとえば伝承学や怪異学などにも展開できるんです。 そして、それらが全て斎宮跡の発掘調査という、日々更新されていく考古学の成果とリンクしています。あるいは歴史学の中でも、斎宮の研究は、伊勢神宮、王権論、制度史、地域史などいくつもの

    『斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史』/榎村寛之インタビュー
  • 一ノ瀬俊也の仕事場

    2016年7月に中公新書『戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡』を上梓した一ノ瀬俊也さん。初の単著(2004年)以来、ほぼ毎年1冊のハイペースで著作を発表しているが、旺盛な執筆活動の「現場」はどのようなものなのか。5月の新緑がまぶしい埼玉大学(さいたま市)のキャンパスに研究室を訪ねた。 ドアを開けた瞬間、所狭しと並んだや雑誌などの物量に圧倒される。まるで古書店にでも入り込んでしまったようだ。見渡すと、やはり太平洋戦争関連の割合が多い。 「10年ほど前、埼玉大学に移ってきたんですが、その頃だと資料は今の3分の1もなかったです。物が多くなりすぎて既に収まりきらなくて……。たぶん定年まで引っ越しはできないと思います」 研究室には文献のほか、非常に数が限られた貴重な品々もある。たとえば「伝単(でんたん)」。敵国の人々の戦意を喪失させたり、投降を呼びかけたりするためのビラで、飛行機などでばら撒かれた。今

    一ノ瀬俊也の仕事場
  • 360°の科学/横山広美

    小山慶太『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』 米昌平『バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか』 矢野久美子『ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』 真理を追究する科学、役立つ科学、悪用される科学。科学と人間の関係は多様で網羅する学問分野も広い。若い人には360°いずれの側面からも科学を見て欲しい。中公新書には科学の全体像を見るための良書がある。 一線の科学者たちは、ワクワクドキドキを忘れずに研究をする。「ねえ君、不思議だと思いませんか?」物理学者である寺田寅彦は、よくこの言葉を口にしたという。尺八の音響学や椿の落下など、目の前の不思議に取り組む寺田は、文筆によって科学の魅力や在り方を多くの人に伝えた科学者でもあった。『寺田寅彦』は、漱石とレイリー卿という二人の師とのつながりや当時の時代の雰囲気を見事に描いている。物理学を学び、科学史家としての研究

    360°の科学/横山広美
  • 『謎の漢字』/笹原宏之インタビュー

    毎日かならず目にする漢字。しかし、それだけにさまざまな疑問も出てきます。小学校で厳しくたたき込まれた「『木』の縦棒ははねてはいけない」というのは当か? 「嫐」「嬲」「娚」など、なんでこんな漢字がパソコンで打てるのか?(そして、こうしてウェブ上で表示できるのか?) エビにはなぜ「海老」、「鰕」、「蝦」などの漢字があるのか? 『謎の漢字』でこれらの疑問をとことん追究した笹原宏之さんにお話を伺いました。 ――漢字研究を専門とされ、すでにたくさんのを出している笹原先生ですが、既著とすこし違って、今回のはかなりご自身の研究のプロセスについて詳しくお書きになっています。それはなぜでしょうか。 笹原:何かを「調べる」という営みが、近年なおざりになりつつあることを、随所で感じていたためです。 ときには調べることを職業とする研究者や新聞記者、テレビの制作者などの書いたものの中にさえ、プロとしてどうした

    『謎の漢字』/笹原宏之インタビュー