新生帝海テストプレイ（その１） | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
昨年秋から年末にかけ、帝海のルール改訂に取り組んでいました。 そもそもの発端はこかどさんから「ルール量を今の半分くらいに減らせないか。」という提案があったからです。ルールが多い件は自身でも気になっていました。 最初は標準ルール扱いになっていたものを選択ルールに送るとか、水上戦闘を簡易なものに変えるといった対応でお茶を濁したものの、あまり減量効果はありませんでした。そこで思い切ってシークエンスの変更といった背骨の取り換えを行うことにしました。 従来の基本であった、ランダムシークエンスによるタイミングのずれの表現という部分はそのままに、なんとかもっとスマートな処理はないものかと考えました。 その結果が昨秋こかどさん宛て送付したものです。ルールのボリューム減量は半分までには達しませんでしたが、1/3は減らせたのではないかと思います。 ただ、実地にテストをしてバグや不明瞭な点を洗い出すという作業が
空母戦ゲームのこれまでとこれから（その２） | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
「敵の実際の戦力＝投入している空母の数がわからない。」 「今、2隻やっつけたけど、もしかしたら無傷の空母がまだ１隻潜んでいて、虎視眈々と攻撃機会をうかがっているかもしいれない。」 史実戦力を忠実になぞるのではなく、当時の限定的な情報からくる焦燥感を再現する。 これは空母戦ゲームをデザインするにあたり魅力的な要素であり、ある方に伺った話によれば、日本機動部隊においても、後の再販時か当初の販売時かは不明ですが、「敵戦力不明シナリオ」が検討されたことがあるそうです。 私も帝海をつくりはじめて初期の頃は、この魅力に無条件に取り付かれていました。 私の知る限り、この手法を導入したのはVGキャリアーが最初だったと思います。 ほかにもあったかもしれませんが、和訳ルールが入手できるゲームではこれが多分最初。 VGキャリアーはソリティアゲームです。 ルールによってシステムコントロールされる日本の戦力は、米軍
空母戦ゲームのこれまでとこれから（その１） | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
このブログを始めて初期の頃、持っている、あるいは持っていた空母戦ゲームについて一通り自身の考察などを書いていた時期があります。 フラットトップ、日本機動部隊、航空母艦、ツクダのタスクフォースシリーズ、VGのフリートシリーズetc・・・ 過去記事を一通り読み返してみて、帝海のイメージを作っていたころのことを改めて思い返してみました。 これは自身を含め、空母戦ゲーマーは何を空母戦に求めているのか？ということの考察でもあります。 たとえば2006年2月27日にとりあげたツクダの航空母艦は、「空母戦ゲーマーの求めるものをすべて詰め込んだゲーム」であろうとして失敗をしたゲームなのではと思っています。 航空母艦は、空母戦ゲームの醍醐味（であった筈）の索敵ルールに凝りにこって、2人プレイボードゲームでは必然の逆探知問題を克服し、さらに発着艦と雷爆換装による整備の面白さを追及すべく、極めて凝ったルールを用
らしい選択 | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
今回ようやくゲットしました。 相変わらず、愛のないコンポーネント（翔鶴、瑞鶴って書いてあるけどシルエットは加賀）ですが、ゲームの出来に直接は関係ないと信じましょう。 でも２号の時にも思ったんですが、このコンクリートみたいな海の色はなんとかならないものでしょうかねえ。 ソリティアゲームということで、先駆者のＶＧキャリアーとの比較も面白そうです。 あっちは２日間の空母決戦に焦点をあてたもの、こっちは５月３日から５月９日まで、米軍のツラギ空襲など戦闘の全容を捉えたものですから、単純に比べられるものでもありませんが。 少し前の日機再版、アリューシャンキャンペーン、ソロモンズ・キャンペーンと、海戦ファンには嬉しいラインアップが続いています。 珊瑚海といえば、こんな本も出たことですし。
ＹＳＧＡ第１８２回定例会 例会の様子 | ＹＳＧＡ 例会報告
当日は総勢15人の参加を得て、以下のゲームがプレイされました。 ■GMT BORODINO／９月７日シナリオ３人戦 ■(GJ誌９号付)キエフ1943リュティヒ橋頭堡／最終ターンまで ■（ＥＰ・サンセット）失われた勝利／42年８月まで ■(AH)ロシアン・フロント／42年２月まで ■（Jコマンド誌１号付）サムライ・サンセット／46年３月まで ■(AH)キャリアー：ルール解説練習プレイ ■(DG)ライトニング・ミッドウェー・カードゲーム ■(GJ誌11号付) 捷１号作戦 ■(コロンビア)積木のハンマー・オブ・スコッツ ■(HJ)列強の興亡カードゲーム７人プレイ×３ (GMT)ボロジノ超拡大マップ＆ユニット版にて
遠すぎた橋の思ひ出 | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
高校生の頃、私には一つ歳上の腹違いで種違いの姉がいました。そこのあなた。ここ笑うところですから。 まあ、本人たちには理解不能だったのですが、他人からみると顔形がそっくりだったということです。どれくらい似ている（と他人が思ったか）については、こんなエピソードがあります。彼女（Ｏ子さんとしましょう）が友達からこんなことを言われました。 友達 「Ｏ子ちゃん、弟さんがいるんやね。同じ学校に入ったんやね。」 Ｏ子 「何それ。」 友達 「帰りに同じ電車によく乗って仲良く話してるやん。」 Ｏ子 「いや、あれは同じ部活の後輩ではあるけど、弟とちゃうよ。」 友達 「またまた。そんな照れて隠さんでも。」 確かに同じ部活に所属して、帰る方向も同じでしたから、電車ではよく一緒でした。 普通はカップル（死語）で一緒に仲良く話してたら、恋仲の方を疑われそうなもんですが。 で、その友達がまたしばらくしてから、こう言った
5thフリート発掘 | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
実家の倉庫から５ｔｈフリートと、７ｔｈフリート日本語版ルールブックを発掘してきました。 記憶になかったのですが、５ｔｈのユニットは切り離し済みでした。 トレイの蓋がユルユルだったため、箱の中でユニットが散乱していました。 整理に１時間もかかってしまった。 英文ルールもところどころ読もうとした形跡（笑）がありました。 購入したのは、たしか平成３年頃、やっぱり関東方面に長期研修にいったときだったと思います。休みに東京まで出て、渋谷（だったと思う）のパルコ内のポストホビーで買ったんじゃなかったかな？そこでＶＧのキャリアーも取り寄せ注文して、家（当時は京都）に送ってもらったような。 子供がまだ小さくて、長期研修から帰ってきたら、私の顔を忘れているかもみたいな心配をしたことを思い出しました。 一方、７ｔｈフリート日本語版のルールは、記憶ほど図版が多量にあるわけではなく、アジフリとそんなに変わらないよ
ゲームを購入するとき | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
あなたは、ゲームを買うとき、何を気にするでしょうか。 まあ、最初に思いつくのはテーマですね。私は陸物作戦級より、海戦、空戦ものが好きなので、後者であれば他の要素が多少自分の身の丈にあわなくても、評価が甘くなって買ってしまう傾向はあります。 また、戦国ものだと子供が相手をしてくれそうなので、買っちゃったりですね。 それからコンポーネントでしょうか。コンポーネントはデザイン性より機能性だと、あちらこちらで言われていまして、お説ごもっともなのですが、機能性って実はやってみて初めて判ることなんですよね。 やってみる前にそれを見抜く力が無いので、写真付きで紹介されているのを見てアートワークが美しいと、「欲しいなあ」って単純に思っちゃいます。 かの座談会では「ゲーム購買層の殆どはコレクター。実際にプレイしている人は実は少ない」という話がでておりました。 私の家にも買っただけのゲームが結構あります。いず
水上戦闘ルール考（その１） | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
昨日進捗状況をまとめてみて、なんだ後は水上戦闘ルールをつくれば形になるじゃんと、楽観的な私。いえいえそれから後が大変だってちゃんと判ってますよ。でもそこをクリアーすればとりあえずの目鼻がつくことは事実なので、航空戦闘ルールのテストと並行して水上戦闘ルールを考えてみたいと思います。 作戦級海戦ゲームで最も緻密な水上戦闘ルールをもつのは、ＡＨビスマルクでしょう。 日本の住宅事情など絶対に考慮されていない（外国製なので当たり前）大きさの机の上を、専用スケールを使用して移動する艦艇。莫大な量のＤＭ処理を行ってから発射される砲弾。きっとあれは索敵ルールとかがオマケで、戦闘ルールが主体だったのでしょう。ヘクスマップを使用した簡易版戦闘ルールもついてましたね。１箱にものすごい思い入れを詰め込んだゲームでした。 もりつちブランドの「ソロモン夜襲戦」も、もともとは空母戦ゲームの水上戦闘ルールを切り取った（し
勝利条件考 | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
シミュレーション・ゲームはゲームですから勝ち負けが発生します。 このゲームの勝利条件は何か、デザインに先立ち、プレイヤーはなにを目指すべきかという点をクリアーにしておかないといけないのではないかと思い立ち、今日は勝利条件について考えてみました。CMJ70号でも「デザイナーは自身が何が言いたいのかを自覚しなくてはならない」と書いてありました。プレイヤーが目指すべきものをクリアーにすることによって、どのような方向でデザインをまとめるべきかが探れるのではと思ったわけです。 周知のことではありますが、史実において日本軍は １：陸軍をガ島に送り込む。 ２：揚陸に驚異となるヘンダーソン飛行場を艦砲射撃や空襲により前もって使用不可能にする。 ３：米機動部隊を殲滅し、作戦継続能力を低下させる（ミッドウエイの敵討ち）。 といった方針で動いておりました。やはり上記のいずれかor全部が日本の目標、その阻止が米の
許されるＩＦと許されないＩＦ | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
昨日、シナリオの件でノンヒストリカルシチュエーションのことを書いたので、常日頃思っていることを少し。 ＶＧ社のキャリアーでは、連合軍空母としてヴィクトリアスが出現する可能性があります。 ランダムセットアップでは、米軍空母は登場隻数だけ指定され、無作為にユニットを引き当てます。ヴィクトリアスをひいちゃったら、なんかすごく損した気分になって引き直しもしばしば。 そんなことなら最初から抜いておけばいいのですが（どうせソリティアだし）。 ヴィクトリアスはレンジャーを大西洋艦隊に止めるかわりに、実際に太平洋戦に派遣されているので、私の想定より現実性は高いのですが、何だかわけもなく許せません。 ＨＪ／ＱＤのアイアンボトムサウンドには、仮想戦シナリオがたくさんついてましたが、鉄底海峡にドイツ艦が派遣されるシチュエーションが確かありました。これってデザイナーさんの趣味でしょうか。 ＣＭＪ版日本機動部隊にも
空母戦ゲームで再現したいシチュエーション（その3） | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
南太平洋海戦において、軽空母瑞鳳はたった２機のＳＢＤの攻撃により発着艦不能にさせられ、早々に戦列を離れてしまいます。 このＳＢＤは索敵機でありながら爆弾を搭載していた索敵爆撃機でした。実際に索敵機を飛ばすタイプのゲームでは（フラットトップなど）比較的容易にこの状況を再現できますが、奇襲にはなりにくいので成功率は低いと思います。加えて当時の日本軍のドクトリンでは考えられないにも関わらず、ゲームの上では９９艦爆でも同じことが出来る点も問題かもしれません。 また、このＳＢＤ達が小規模編隊ゆえに察知されずに接近できたため、瑞鳳攻撃に成功したのだとして、小規模編隊による攻撃有利の観点で対空火力やＣＡＰ機の能力のレーティングを行うという手もあります。 しかし、やはり物理的にはおかしげなものになってしまう気がします。そんなわけで瑞鳳被弾は、たまたまのラッキーストライクなので無視か、せいぜい損害判定結果に
空母戦戦闘システムあれこれ（最終回） | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
ＧＷで長らくお休みしていましたが、最終回はＶＧキャリアーです。 このゲームは空母戦ソリティアということもあって、いろいろ特殊です。まず、航空機ユニットは米軍にはあっても、日本軍にはありません。日本軍の航空機はポイントという形で与えられます。１ポイントは約８機を示し、対艦攻撃の場合ゼロ戦30％、99艦爆40％、97艦攻30％という典型的な比率で構成されていると考えるそうです。 日本軍攻撃隊の総数は53機だったので７ポイントと考えます。米軍機は１ユニット８機（１ステップ４機）なので、迎撃ユニットはＦ４Ｆ４ユニット（８ステップ）です。これらは緊急発進ではないとします（緊急発進の場合はステップ数に修正あり）。サイの目は５、日本軍の航空ポイントによる修正－１でサイの目４。アメリカ軍ＣＡＰ戦闘表で、護衛機８ステップ４の目の欄は０。日本軍に損害はありません。 ついで対空戦闘。同一艦隊内で対空力の大きい物
キャリアー | しゅみのしみゅれーしょんげーむ
洋もの第３弾は、ＶＧのキャリアー。一人用の空母戦という画期的なゲームです。季刊タクティクス誌の４～６号にかけて和訳ルールが掲載されました。ソリティアゲームといえば、Ａｍｂｕｓｈ！が有名ですけど、ああいったパラグラフ形式のゲームではありません。どっちかといえばＡＨのパットンズベストに近いです。 プレイヤーは４２年当時の米機動部隊指揮官となって、ソロモン方面でにっくき大日本帝国海軍の機動部隊を迎撃します。 比較的自由に自軍戦力を編成できるランダムシナリオと、史実シナリオがあります。ただし史実シナリオを選んでも、米軍には史実どおりの戦力が与えられますが、日本軍が史実通りの戦力で現れるかは不明です。珊瑚海海戦でも赤城や加賀が出てくることはあり得ます。ただし、日本側は空母、水上艦艇、輸送船の各々に戦力レベルが決まっていて、登場した艦艇が一定戦力以上に達したら、それ以上は基本的には登場しません（でもサ
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鬱ろぐ: ７月のエモノ