第二次世界大戦下、慶応義塾幼稚舎の生徒と家族が交わしていたハガキなど=東京都港区の慶応大で2024年7月2日、栗原俊雄撮影 今夏で戦後79年を迎え戦争体験者が減っていく中、貴重な資料で戦争を語り継ぐ企画展「慶應義塾と戦争 モノから人へ」が慶応大三田キャンパス(東京都港区)で開かれている。明治期から敗戦後までの約90点を展示し、戦時下の学生生活や大学の苦労を伝えている。 中心になるのは、第二次世界大戦下のものだ。1937年に日中戦争が始まり、41年には米英などとの戦争に突入し、キャンパスにも戦争が近付いてきた。それでも宴会やスキー大会のアルバム、運動部員の日記などから、学生生活を楽しんでいたことが分かる。 転機となったのが43年10月。戦局が悪化する中、徴兵を猶予されていた大学生らも戦地に送られることとなった。「学徒出陣」だ。会場中央にある校旗は、10月21日に神宮外苑競技場で行われた雨の中
