福知山公立大は、地域経営学部の医療福祉経営学科を廃止する学士課程教育改編方針を発表した。2026年度入試から同学科の募集を停止する。情報学部の定員を増やすなどし、大学の独自性発揮のため「情報学を基盤とした地域協働型教育」を目指すとしている。改編により、福知山公立大は地域経営学部地域経営学科と情報学部情報学科の2学部2学科となる。 医療福祉経営学科は在籍学生が卒業するまで存続させる。最後に入学する同学科生は29年3月に卒業する見込み。
難関とされる国立の旧帝国7大学に合格した東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の高校出身者が、2008~23年度の15年間で1・68倍に急増していたことが毎日新聞の集計で判明した。東京大以外の地方6帝大で合格者数を伸ばしたことが大きく影響しており、東京圏での受験熱の高まりが背景にあるとみられる。 教育を巡る格差に詳しい松岡亮二・龍谷大准教授(教育社会学)は「地方から難関大に挑戦しづらくなり、受験機会と受験結果の双方で格差がさらに広がる恐れがある」と指摘した。 出身地や家庭の経済力に左右される大学受験の課題を考えるシリーズ「受験格差」を随時公開します。こちらのページでは、サンデー毎日や教育専門通信社「大学通信」が毎年実施する高校への調査などを基に、各都道府県の旧帝国7大学合格者数の推移や合格者数上位10校の表を掲載しています。 【関連記事】 東大合格者、ピークの4割 「教育県」長野の進学校で起き
佐賀県知事が県議会で要請した再議で、県立大構想に慎重な最大会派・自民党が提案した補正予算修正案は否決された=佐賀県議会で2023年12月21日午後3時28分、五十嵐隆浩撮影 地方自治体が設置する公立大が急増している。この30年あまりで2・5倍に増えて2024年度は101校となり、100校を超える。地域にとっては、若者の都心部への流出を食い止める「ダム」の役割を期待する声は根強いが、少子化で大学経営の先行きに不透明さが増すなか、多額の公的資金が注がれることに疑念の目も向けられる。やはり少子化で苦境に立たされる私立大との不公平も指摘され、文部科学省は新設要件の厳格化に乗り出す。 県立大構想、不退転の決意 「県立大の設置は佐賀県特有の構造的な問題解決に向けて直接アプローチできる」 佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は23年12月の佐賀県議会で28年度の開学を目指す県立大の意義についてこう強調した。
霞が関に多くの人材を輩出してきた東京大学。東大から官僚になるのが典型的なエリートコースともいわれたが、今はそんな学生が激減した。なぜ「公共」の世界を忌避するようになったのか。 減り続ける東大出身官僚 「東大が官僚養成機関? いつの時代のことですか?」。昨年10月下旬、東大・本郷キャンパス(東京都文京区)。安田講堂近くの東大新聞編集部で、教養学部3年の金井貴広さん(20)は当惑した表情でこう語った。 金井さんは記事を書くために東大出身の官僚たちをよく取材する。その多くは「仕事に誇りを持っている」という。一方で、世に発信されるのは「ブラック霞が関」ともいわれる過酷な労働を強いられる官僚像。金井さんは「自分を滅して公共のために頑張る覚悟がないと、霞が関には足を踏み入れづらい」と話す。 2023年度の国家公務員試験で総合職(キャリア)の合格者は計2450人。このうち、東大出身者は367人(前年度比
数学者と取り組んだ、前川紘士さん(右)の作品「触る線のドローイング」=東京都目黒区の東京大駒場キャンパス「駒場博物館」で2023年12月15日、手塚耕一郎撮影 東京・目黒の東京大駒場キャンパス内の駒場博物館では今、虫のフンから抽出した色素で描かれた模様など、普段の美術館や博物館では鑑賞できない作品が並ぶ。科学者と芸術家の交流による集大成として企画された展覧会で、16日に始まった。科学と芸術が融合した新たな世界は、どんな景色なのか。 企画したのは、全国約130の大学と研究機関の広報担当者の有志らで作る任意団体「ファンダメンタルズプログラム」。公益財団法人などの助成を受け、2021年から、科学者と芸術家が交流する場を提供している。 両分野を融合させることでお互いを活性化させ、社会とのつながりを創出することを目指しているという。科学と芸術には、ともに「普遍性を探し求める」という共通点がある。根本
社会学者の上野千鶴子さんはジェンダー研究の第一人者で、数々の論争を巻き起こした論客としても知られます。ジャーナリスト・田原総一朗さんのインタビューの後半では、行き詰まった日本の大学教育が「ドラスチックに変わる」方法について語りました。 前編:東大が「蹴られる」のはなぜか 上野千鶴子・名誉教授/上 国際会議での発言「訓練すればできる」 田原 日本人は正解のない問題にチャレンジする教育を受けていないために、創造力に欠けたというのが僕の問題意識です。日本の政治家は、国際会議でもなかなか発言できません。それは、英語ができないからではないと思います。 上野 その通りだと思います。今の予測のつかない国際情勢を見ても、解決への正解なんてありません。日本人が国際舞台で発言できないのは「シャイな国民性のせいだ」なんて言われますが、そんなものは訓練すれば身につく能力です。 たとえ、ブロークンな(たどたどしい)
千葉科学大(銚子市)が同市に対し、公立化を求める要望書を提出していたことが分かった。要望を受け、市議会が14日に開いた勉強会で市側が明らかにした。同大は学校法人加計学園(岡山市)が2004年に開学した。近年は定員割れが続いている。大学存続を望む市は有識者による第三者検討委員会を設置して対応を協議する。 市によると、同大の「公立大学法人化に関する要望書」は越川信一市長宛てに10月11日付で同学園の加計孝太郎理事長から出された。要望書では、同大は同学園と市が「公私協力方式」で開学し、薬学部と危機管理学部に加え、14年には市の要望に応えて看護学部を設置したと説明。さらに具体例を挙げて私大が公立化されたことで地域が活性化されたと指摘。その上で「銚子市を中心とした東総地区の知の拠点として存続し、地域活性…
現場の理解を得ないまま、組織のあり方を大きく変えるのは無理がある。政府が国会に提出した国立大学法人法改正案に教職員らが反発している。 規模の大きい大学を「特定国立大学法人」と位置付け、新たに「運営方針会議」の設置を義務付ける。現在は役員会の審議を経て学長が方針を決めている中期計画や予算・決算をこの会議が決議する。学長選考に関しても意見できるなど、強い権限を持つ。 学長と3人以上の委員で構成する合議体で、経営の専門家など学外者の参加が想定されている。文部科学相の承認を得た上で学長が委員を任命する。 外部の知見を取り入れ、大学のガバナンス(組織統治)機能を強化するのが狙いだという。 しかし、教職員らは、政財界の意向が教育研究の領域を含めて大学運営に影響を及ぼすことを懸念する。東京都内できのう開かれた反対集会で、東京大の本田由紀教授は「大学の自主性、自律性の尊重を定めた教育基本法に抵触する」と批
近畿大は26日、ニホンウナギの完全養殖に成功したと発表した。完全養殖は、卵から育てたウナギの卵と精子を使って2世代目を人工ふ化させる技術で、水産研究・教育機構(旧水産総合研究センター)が2010年に世界で初めて成功させた。大学では初の成果という。 近大によると、和歌山県那智勝浦町にある水産研究所の実験場で7月5日、養殖した親ウナギから受精卵を採取し、同6日にふ化に成功。8月3、24日にもふ化を確認した。今月18日時点で計約600匹の仔魚(しぎょ)(赤ちゃん)が育っているという。 近大はこれまでクロマグロやマダイなどの養殖技術開発に取り組んできた。東京都内で記者会見した升間主計・水産研究所長は「仔魚を育てる独自技術の開発にもトライし、養殖技術全体のレベルアップに貢献したい」と語った。
少子化時代の私立大の役割について話す日本私立大学協会会長の小原芳明・玉川大学長=東京都町田市で2023年9月15日午後4時42分、李英浩撮影 私立大の半数超が定員割れ--。この春、全国にある私大320校が入学定員を満たすだけの学生を集められなかった。政府は急速な少子化に伴い、2040年には大学入学者数が2割以上減るとみて、とりわけ状況が厳しい地方や小規模の私大を軸に再編を促す構えだ。一方、地方の中小規模大を中心に約400校が加盟する日本私立大学協会の小原芳明会長(玉川大学長)は、これに反発する。【聞き手・李英浩】 下はこちらです。話題は私大の数をどうすべきかなどに及びました。 私大は大衆化の受け皿になった ――文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」が23年度に私立大の53・3%が入学者の定員割れを起こしたと明らかにしました。この調査を始めた1989年度以降で、半数超えは初です
猫の大好物と言えばマタタビ。でもマタタビに酔ったようになる猫の姿に「依存性はないの?」と心配する人もいるのではないだろうか。猫がマタタビに特異な反応を示す生物学的意義を研究してきた岩手大などのグループがこの疑問に答え、オンライン科学誌に論文掲載した。その成果とは……。 岩手大農学部の宮崎雅雄教授(生化学)や大学院生の上野山怜子さん(26)らは、研究室で17匹の猫を飼いながら、マタタビとの関わりなどについて研究している。 グループはこれまでに、猫がマタタビに反応すると、幸せを感じた時に脳内で働く物質の血中濃度が上がること▽猫の体にこすりつけたマタタビの成分が蚊よけの役割を果たしていること――などを次々と突き止め、注目を集めた。
高額な研究費を少人数に集中して投じるより、少額でも多くの研究者に配分する方が、国全体として画期的な成果を効率良く出せるとの分析結果を、筑波大などの研究チームが発表した。1991年以降、国が支給した科学研究費助成事業(科研費)の投資効果を調べた。研究予算は、国が進める「選択と集中」路線よりも「広く浅く」配分する方が効果的としている。 チームは、国が91年以降、研究者に支給した科研費のうち、生命科学・医学分野の18万件以上を分析。個々の金額や発表論文数のほか、その後ノーベル賞級の成果につながったり、新たな研究分野に発展したりしたキーワードが論文に含まれているかを調べた。
あの熱気は何だったのか――。54年前の1969年、京都大で大規模な学生紛争が起きた。当時の学生や教員の熱量を資料から読み解く企画展「1969年再考」(入場無料)が、同大学百周年時計台記念館(京都市左京区)で7月2日まで開かれている。反響があり、当初より会期を1カ月延長した。 60年代、世界各地で若い世代が運動 60年代後半、世界各地で若い世代による運動が巻き起こった。68年にフランスで権力への抗議運動「5月革命」、旧チェコスロバキアでは民主化運動「プラハの春」があり、うねりは日本の大学にも広がった。 「京大紛争」は69年1月、学生寮を巡る問題の団体交渉に不満を持った寮生が、学生部の建物を閉鎖したことが始まりとされる。教育・研究のあり方への批判も相まり、紛争は激化。バリケード設置や学生同士の衝突、授業停止、入試の学外実施など、大学は混乱にのみ込まれた。同年9月、学生らを含む全共闘(全学共闘会
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