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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (8)

  • 『ガロアの時代 ガロアの数学』時代篇&数学篇 彌永昌吉 丸善出版 - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →『ガロアの時代 ガロアの数学〈1〉時代篇』を購入 →『ガロアの時代 ガロアの数学〈2〉数学篇』を購入 百歳の天壽をまっとうした日を代表する数学者が93歳と96歳の時に上梓したである。こういう言い方は失礼かもしれないが、よくある回想録の類ではなく、原資料や最新の研究にあたって書かれた格的な著作である。文章はきびきびしていて無用のくりかえしはない。90代半ばにしてこれだけの文章が書けるとは。かくありたいものだ。 書はガロアの生涯を描いた「時代篇」と業績を解説した「数学篇」の2巻からなる。 「時代篇」は4章にわかれ、各章の末尾には簡単な年表がついている。 第1章「時代背景 政治史から」は25頁ほどの簡単なものだが、ガロアが在籍したルイ・ル・グラン校やエコール・プレパラトワール、入学を果たせなかったエコール・ポリテクニークについてまとめられているのはありがたい。 エコール・ポリテクニーク

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  • 『フルトヴェングラーと私-ユピテルとの邂逅』ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「大声楽家、大指揮者を語る」 大指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)の名前をタイトルに含むがどれほどあるか知らないが、私自身が過去に新聞や雑誌に取り上げただけでも最低4-5冊はあるはずだから、わが国にもいまだに根強いファンがいると思われる。フルトヴェングラーのディスク案内の類ならここに取り上げる必要もないだろうが、昨年亡くなった大声楽家ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(1925-2012)が晩年に書いたものとなれば、書(『フルトヴェングラーと私―ユピテルとの邂逅』野口剛夫訳、河出書房新社)を見過ごすわけにはいかない。 クラシック音楽の世界では、大指揮者としてのフルトヴェングラーの名前はとうに神格化されている。書にもそのような記述を探そうと思えばいくつも見つかるが、フィッシャー=ディースカウほどの大声楽家が月並みなフルトヴェングラ

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  • 『会社員とは何者か? ― 会社員小説をめぐって』伊井直行(講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「立派にならない評論」 文芸誌に一年以上にわたって連載された「会社員小説をめぐって」がになった。変わった評論である。表題のとおり、とりあげられるのは「会社員」の出てくる作品ばかり。夏目漱石から源氏鶏太、楡周平、庄野潤三、山口瞳、坂上弘。より現代的なところでは池井戸潤、津村記久子、絲山秋子、長嶋有、盛田隆二。カフカやメルヴィルも出てくる。岩崎彌太郎も出てくる。あくまで「会社員」であり、「サラリーマン」ではないところがミソだという。 実は筆者は何度かこの連載をのぞいたことがあったのだが、今ひとつ入り込めなかった。それが今、になってみると、ほとんど同じ内容のはずなのに、以前とちがって何だか足下から吸い込まれるような妙な誘惑性がある。不思議な気分だ。しかも読み進めていっても「このはいったいどこがおもしろいのか?」という疑問がいっこうに消えない。どうやら自分はこの評論をお

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    hikabu
    hikabu 2012/06/07
  • 『古典力学の形成―ニュートンからラグランジュへ』 山本義隆 (日本評論社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 『プリンキピア』は微積分ではなくユークリッド幾何学で書かれているが、もともと微積分を使って導きだした命題を微積分がまだ一般的でなかったのであえて古い手法で書き直したという意味のことをニュートン自身が語っている。 簡単にいうと、未知数をXとして方程式を立てれば簡単に解けるのに、方程式を知らない小学生のためにツルカメ算や流水算といったアクロバット的な解き方でわざわざ解いてみせたというようなことだ。 『プリンキピア』の命題はもともとは微積分で導出されていたというのは科学史の常識といってよいが、『錬金術師ニュートン』でニュートンの臆面もない二枚舌ぶりにあきれ、ひょっとしたら微積分を使ったというのも、ライプニッツと微積分の先取権を争う過程ででっちあげた与太話ではないかと思うようになった。 書を開いたところ、40頁目でもう答えが出ていた。ウェストフォールというニュートン学の第一

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  • 『コペルニクス革命』 トマス・クーン (講談社学術文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 パラダイム理論で知られるトマス・クーンが1957年に上梓した処女作である。クーンは書の5年後、『科学革命の構造』でパラダイム理論を提唱し、科学史のみならず思想界に衝撃をあたえることになる。 書にも2ヶ所「パラダイム」という言葉が出てくるが、まだ実例という意味にしか使われておらず、パラダイム理論でいう「パラダイム」の意味には達していない。 しかし「パラダイム」の萌芽はすでに見られる。「概念図式」である。 書は星をちりばめた天球という球体が地球を中心に回転しているという「二つの球」の概念図式から、無限の宇宙を無数の天体が重力の法則にしたがって運動しつづけるというニュートンの概念図式に移行する過程を段階を追って跡づけているが、この概念図式は単なる天文計測のための方便ではなく、世界における人間の位置を説明するという「心理的機能」をももっており、科学者であると否とをとわず

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  • 『小説の準備 ―コレージュ・ド・フランス講義 1978-1979年度と1979-1980年度』 バルト (筑摩書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 講義ノートの三巻目は1978-1979年度と1979-1980年度の二年分をおさめる。最後の二年間の講義は「小説の準備Ⅰ」、「小説の準備Ⅱ」というひとつづきの内容だからである。 批評家のバルトがなぜ「小説の準備」というテーマを選んだのだろうか。 バルトは1977年10月25日、最愛の母親を亡くす。極度のマザコンだったバルトは『喪の日記』にあるように悲嘆にくれ絶望の淵をさまよったが、二年目の『<中性>について』の講義の準備によってかろうじて自分を支えたらしい。 転機となったのは母の少女時代の写真を発見したことだった。幼い母の写真に魂を揺さぶられたバルトは母の思い出を写真論としてまとめることを思いたち、一年余の熟成期間をへて『明るい部屋』を一気呵成に書きあげる。 読んだ方はおわかりと思うが、『明るい部屋』は知的で冷静な批評の体裁をとりながらも、きわめて内密でプライベートで

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    hikabu
    hikabu 2010/03/31
  • 『長谷川伸傑作選 瞼の母』長谷川伸(国書刊行会) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「無縁社会における倫理の可能性を考えるために」 ここのところ長谷川伸の戯曲作品が心の深いところに沁みるように感じて、何度も読み返している。五歳のときに生き別れとなった母親を旅から旅へと探し歩く忠太郎が、柳橋の料亭の女将となっている母親おはまに漸く出会うことができたが、いまの彼女の幸福な生活にとってはやくざな息子など邪魔だと追い返されてしまう「瞼の母」(1930年)、一宿一飯の恩義のために斬り殺した三蔵に頼まれて、そのおきぬと子どもを堅気になってまで世話をするが生活の困窮のあまり、おきぬの病気の薬も買ってやれずに死なれてしまう「沓掛時次郎」(1928年)、立派な横綱になろうと修行中の駒形茂兵衛が、旅の途上で一文無しになって困っているところを、通りがかりの遊女お蔦に有り金全部出して助けてもらった恩を忘れないで、その十年後に夢破れて博徒になった茂兵衛が、やくざとのいざこざ

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    hikabu
    hikabu 2010/02/26
  • 『はじめてのジャズ・ギター』天野 丘(リットー・ミュージック) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    hikabu
    hikabu 2008/01/18
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