「料理は芸術か」はたびたび議論になる話題ですが、タイトルの「Artiste」はフランス語で「芸術家」という意味。文字通り本作は「芸術家」としてのプロの料理人の世界を描く作品です。 主人公・ジルベールはパリのレストランで働く青年。一流ホテルの厨房出身でありながら、今の店では皿洗いと雑用係。 彼は実は「動物級の味覚と嗅覚」を持つ天才なのですが、幼いころから周囲にその特殊能力を気味悪がられ、職場でもトラブルを起こし、今ではすっかり「コミュ障」に。心の底では料理の前線に戻りたいと思いつつ、染み付いた臆病さゆえに踏み出せずにいます。 しかし、ずかずかとコミュニケーションをとってくる職場の新人・マルコの自由奔放さや、彼の才能を見抜いた同僚たちの応援を受け、臆病だった彼の心は徐々に開いていきます。 新しくオープンする予定のレストランに引き抜かれ、料理人復帰することになったジルベール(しかも花形のソース担