続きを読む 体制整備と国家変革計画(NTP) ビジョンの基本的な考え方は、経済・財政における石油依存からの脱却である。ムハンマド副皇太子は、ビジョン発表の記者会見で、「石油収入への依存は石油中毒で有害である」とし、「サウジの収入の源泉を原油から投資に変える」、「2030年には原油なしでも生き残る」と述べた。 ビジョン上で明記されているわけではないが、ビジョン実現のための手段、財源として想定されているのは、国営石油会社サウジ・アラムコの株式新規公開(IPO)である。ムハンマド副皇太子によれば、アラムコ株式の5%未満の内外株式市場への上場を通じて、1000億円規模の資金を調達するとともに、残りの資金は、本格的な政府ファンド(SWF)に改組される「公共投資基金」(PIF)に移管されるとしている。 なお、公共投資基金は、2016年10月、孫正義氏率いるソフトバンクと1000億ドル規模の投資基金設立