大型トラックに搭載されている衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)は、運転手が居眠り運転をしているときは効果が限定的であることを、広島大学と福山通運の研究グループが明らかにした。車載のカメラの動画(ドライブレコーダー)を解析し、トラックの走行の様子と運転手の挙動を調べた。自動運転など自動車の技術開発は日進月歩だが、最終的な安全の担保はまだ人間の力に依るところが大きいことを示した形だ。 広島大学医学部の塩見利明客員教授(睡眠医学)と同大病院の熊谷元診療准教授(同)は福山通運と共に、労働時間と物流量に関する「物流の2024年問題」や労務健康管理のバランスを考え、被害が深刻になりやすい大型トラックによる交通事故を減らそうと共同研究を続けてきた。先行研究で、いわゆる「居眠り運転事故」はマイクロスリープ(瞬眠)と呼ばれる15秒未満の短い睡眠によって引き起こされていることを確認している。 今回の研究では、2