行動を既定する力を持つ建築に対して、既定された物事を解体する力を持つのがアートだと思っています。20世紀以降の現代美術を作ったマルセル・デュシャンによって、「これって美しいよね」から「これってこう見たら美しいよね」に変わった。どう見ても普通のもの、さらには汚いものでも、「考え方ひとつで美しくなるよ」、「人間の価値観っていくらでもコントロールできるよ」って言ったのが現代美術の始まりだと考えています。そこから、アートは美しいものを作ることから、「こう見たら美しいんじゃないですか」ってサジェストする世界に変わっていったと思うんですよね。それってすごくシニカルなことですよね。どんどん逆説を探していくひねくれた世界ですけど、その態度にはすごく共感するところがあります。(笑) でもそれってひっくり返すとすごく「世界を愛してる」っていうことになると思うんですよ。考え方ひとつで美しいものが増えるとしたら極
![アートと建築。 建築家・松島潤平インタビューPart3](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d0a60f3656c8c727fbf7953dfb0fbcd09cc442e1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.limia.jp%2Fresize%2Fo2%2Fimages%2F37%2Fgallery%2F5%2F2e3055d8a406e944ad3473837255de6e.jpg)