最近は特に奨学金の延滞額が増えたりしていることで、いろいろな報道がありますでしょう。この間も九州のほうで、奨学金が返せず自己破産を申請された方がいるようですね。そうしたことから「日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の貸与を受けたら人生の終わり」とでも言わんばかりの報道も、実際に目にします。 奨学金はもはや社会インフラ でもね。そういう報道が蔓延してしまうと、「家が貧しいが奨学金を受けて大学へ行きたい」というような人が奨学金を受けなくなり、結局は人材の芽を摘むことになる。我々はそうしたイメージに負けずに、「教育の機会均等」の価値を訴えていかなくてはいけない。意欲があって、能力があって、ただ親の経済力がない。そういう子供たちのための制度であることを、しっかりと伝えていかなくてはと思っています。 日本学生支援機構は、日本最大の奨学金貸与団体です。2014年度の事業費総額は、予算ベースで1兆17
教師の本分とは? 日本の教師は授業以外の雑務に追われている ferrantraite-iStockphoto.com 2013年に経済協力開発機構(OECD)が実施した国際教員指導環境調査(TALIS 2013)で、日本の教員の勤務時間が世界一長いことが分かり注目を集めた。 しかし本当に注目すべきなのは仕事の中身だ。教員は知識や技術を授ける専門職なのに、日本ではまったく別の職務を多く担わされている。特に諸外国から見て奇異に見られかねないのは、部活指導が大きな位置を占めていることだ。 中学校や高等学校の部活は、課外活動(extracurricular activities)の一環であって、正規の授業とは異なる。実施するかどうかは各学校の任意に委ねられ、教員免許を持つ者が指導にあたる必要もないが、日本では指導の大半を教員が担っている。 横軸に中学校教員の総勤務時間、縦軸に課外活動の指導時間をと
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