陽の光が消えた町で 作者:ナオミ クリッツァー早川書房Amazonこの『陽の光が消えた町で』は、ナオミ・クリッツァーの日本オリジナルのSF短篇集だ。6作合計でヒューゴー、ネビュラなど英米SF賞を8つも受賞している話題作。 賞をたくさんとっているからといっておもしろいとは限らないのが世の常だが、本作は収録作のどれも読み始めたら一瞬で登場人物、特に語り手のことが好きになってしまう、超絶技巧の短篇揃いだ。6作収録で解説含めても260ページ程度しかない小さめの本なのだが、6作どれもが人生で特別な作品となりえる。今年はもう短篇集としてはこれを超えるものは出ないだろうと確信させる傑作だ。ちなみに長篇としては『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』が年間ベストの最有力候補の一つだが、偶然というべきか必然というべきか、どちらも訳者が桐谷知未さんになる。 6篇しかないので、以下で全作品を軽く紹介していこう。

