余命を宣告された末期がんの女性が、わずかに動く指先を使い、ブログで発信を続けている。タブレット端末を通して他の患者らと交流することで、一時は失いかけた生きる気力を取り戻した。末期患者でも生を楽しめる――。こんな思いを伝えたくて、タブレット端末が利用できる病棟の環境づくりを求めている。 ブログは「私はまだまだ生きられる 余命宣告の期日を過ぎてからの毎日を綴(つづ)ります」と題する。筆者は「久美子ママ」。大阪市のホスピスで暮らす主婦の久美子さん(50)だ。 夫と息子2人に囲まれ、読書とピアノが趣味だった生活に病魔が襲ったのは4年前。大腸がんで、昨年1月には余命4~5カ月と告げられた。7月に入院するとすぐ下半身が動かなくなり、腕も指先まで麻痺(まひ)した。首が器具で固定され、終日、ベッドで過ごす。自力で排泄(はいせつ)ができなくなり、「人としての尊厳を失ってまで生きる意味があるのか」とふさぎこん