かつては怪しい空間の代名詞だったラブホテル。やがてシンプルに洗練され、「ラブホ」の略称で情報誌に登場すると、若いカップルが気軽に利用できるほど「カジュアル」な場所に。ラブホテルの変遷を金益見さんが語る。 金益見 KIM Ikkyon 神戸学院大学講師。1979年大阪府生まれ、在日コリアン3世。神戸学院大学大学院人間文化学研究科地域文化論専攻博士後期課程修了。著書に『ラブホテル進化論』(文藝春秋、2008年、<第18回橋本峰雄賞受賞>)、『サブカルで読むセクシュアリティ――欲望を加速させる装置と流通』(共著、青弓社、2012年)、『性愛空間の文化史――「連れ込み宿」から「ラブホテル」まで』(ミネルヴァ書房、2012年)ほか。 「彼女、ラブホに通いまくってるらしいよ」——周囲の冷たい視線を感じながらも、研究論文のテーマに選んだラブホテルへと熱心に取材に出かけた金益見さん。 「私だって最初は怖か