2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて半世紀ぶりに生まれ変わる国立競技場。その建設にあたり、「スタジアム」という施設の社会的意味と将来像は考慮されていただろうか。そもそもスタジアムとは一体どんな場所なのか。世界各国のスタジアムを訪れたサッカージャーナリストの後藤健生氏が、スタジアムの歴史と社会的位置づけを紐解いていく。(3回連載/第2回) スタンドが木製から鉄筋コンクリートに スタジアムというのは、もともとはきわめてシンプルな構造の建造物だ。最初は選手たちがプレーするグラウンドさえあればよかった。観客はグラウンドの周囲に立ってプレーを見ていたからだ。しかし、観戦者の数が増えてくると、試合がよく見えるようにグラウンドの外に土手が築かれ、さらに入場料を取るようになると「タダ見」ができないように周囲には塀が巡らされた。当時は、建築物としては地元の名士やスポンサーなどのゲストのための
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