ビラスボアス監督のもと、極度の不振に陥っていたチェルシーだが、3月初旬にディマッテオ監督が就任すると調子を上げ、欧州の頂点へと駆け上がった。 チェルシーの「信念」は揺るがなかった。今季のCLで、敗退の危機を幾度も乗り越えてきた集団は、“敵地”アリアンツ・アレーナでの決勝でも、チーム本来のサッカーに対する自信と、悲願の欧州制覇への執念を胸に、勝利を実現した。 立ち上がりからバイエルン・ミュンヘンに押され続けても、うろたえる様子は見られず。致命傷と思われた83分の失点は、5分後に帳消しにして、延長戦へと望みをつないだ。そして迎えた、運命のPK戦。0対1のスタートに悲劇が予想されたが、最終的には4対3で歓喜のフィナーレを迎えたのだった。 「折れない心」。この無形にして強大な力なくして、チェルシーの優勝はあり得なかった。 試合内容を示す数字に見るバイエルン対チェルシーは、ポゼッションの割合が6対4