心と体の性が一致しないトランスジェンダーの生徒が、学校の制服を着ることに強いストレスを感じて、不登校になるケースが少なくない。「スラックスかスカートか、選べるようになれば」。「そもそも制服って必要なのか」。福岡市内で10月にあったシンポジウムでは、性的少数者の当事者や弁護士らが制服のあり方について議論した。 シンポジウム「LGBTと制服」は、子どもの権利保護の観点から制服について問題提起してきた福岡県弁護士会が主催。当事者や教員、制服メーカーの社員ら180人が参加した。 中心となって企画した佐川民弁護士(43)は昨年あった弁護士会の研修で、「周囲に理解者がいない」など性的少数者の置かれている状況を知った。今年6月には、福岡市の養護教員らが「福岡市の制服を考える会」を結成。トランスジェンダーの子どもにより大きな負荷がかかっていることを知り、抱える困難や課題を明らかにする必要があると考えた。