20代前半の頃、本州のいろんなところに滞在して仕事しながら旅をするという生活をしていた。やはりそのころからノートとペンを愛用していて、仕事で使えそうなアイディアとか思ったことをコリコリと書いていた。1年程、箱根の芦ノ湖の湖畔に住んでいたときのことをよく思い出す。仕事の都合で、湖の側に寄り添うように建った古い家をまるごとひとつ貸してもらって数人で住んでいた。居間の雨戸を開け放つと、湖に面した窓が開け放たれて、広々とした景色が見えた。いい風を受けて、風鈴がちりんとなる。窓を開け放つとたくさんの光が差し込んで来てすぐ近くに置いてあったモンステラの葉っぱに反射した。椅子に深々と座って、膝にノートを立てかけて、その頃の考え事を書き留めたり、ギターを弾いていた。 湖の側に住むというのは、とても素敵なことだなぁと思った。大きなお金が入ったら湖をまるごとひとつ誰かにプレゼントするのもいいなと思う。 仕事の