小さなうねりが起こっている。 9月3日にカンボジア、同8日にアフガニスタンとのW杯アジア2次予選に臨んだ日本は、予定どおりに勝点6を積み上げた。カンボジア戦まで湿りがちだった攻撃陣は、アフガニスタン戦で久しぶりに大量得点を記録した。香川真司が、岡崎慎司が、本田圭佑が、原口元気が、称賛に包まれている。 大切な事実がひとつ、見落とされている。 長く正GKを務めてきた川島永嗣がいないなかで、日本は2試合連続無失点を記録したのである。32歳の経験者はスタンダール・リエージュ退団後の新たな所属先を見つけられず、23人のリストから外れていた。 川島に代わってゴールマウスを任されたのは、浦和レッズ所属の西川周作だった。本田らと同じ北京世代の守護神は、すでに29歳となっている。 アフガニスタン戦を終えた西川は、落ち着いた口調で切り出した。 「2試合連続の無失点ということで、最低限の仕事はできたかと思います