筆者はしつこくマイナンバー制度の取材をしている。システム開発に巨額の税金が投入されているからだ。マイナンバー制度が納税者の将来負担の軽減や社会の効率化といった成果に結びつかなければ、この記事を読んでいる読者を含め全納税者にとって、もれなく巨額の損失になってしまう。 政府が毎年改定している「世界最先端IT国家創造宣言」は、マイナンバー制度で「マイナンバーカードの普及と利活用を推進する」という目標を掲げる。ただ、そのためにはカードの仕様を公開する必要があると筆者は考える。後述するように、このままいくとブラウザーのFirefoxでは、マイナポータルを利用できないという事態も予想されている。マイナポータルは、マイナンバーカードで誰もが自分の登録情報の確認などができるサイトである。 マイナンバー制度には3つの異なる仕組みがある。1つは、国内に住む全ての人にマイナンバー(個人番号)を付番すること。2つ