昨年のCOP17では期限が過ぎてもまとまらないなど混乱した =2011年12月11日、南アフリカ・ダーバン(共同) 政府は、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するとした現在の目標を下方修正する作業に本格的に着手する。東京電力福島第1原子力発電所事故を受けたエネルギー政策の見直しで、発電中に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の推進が困難になったためで、現実的な目標を提示する方針だ。 昨年末の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)では、12年に期限を迎える京都議定書の延長が決まったが、日本は削減義務を負うことを拒否する方針。自主的な削減努力を進めると同時に、今後本格化する延長後の「ポスト京都」の枠組み議論で主導的な役割を果たす上でも、目標の撤回が不可欠と判断した。 日本は、09年に鳩山由紀夫元首相が国連での演説で25%削減目標を表明し国際公約とした。