東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内にある自治体庁舎の除染作業に陸上自衛隊を派遣する政府方針が、防衛省内で波紋を呼んでいる。野田佳彦首相には来年1月から始まる民間業者の作業に先んじて国の機関が取り組む姿勢を示す狙いがあるようだが、本来は国防を担う自衛隊を政治の「道具」「便利屋」扱いする姿勢が透けてみえるからだ。 政府は、1月から政府直轄の除染事業にあたる民間企業の作業拠点となる自治体庁舎の除染が必要で、専用資機材と専門的知見を有する陸自部隊の派遣が適切と判断した-としている。 庁舎の除染は環境省が要請する福島県の浪江、富岡、楢葉3町が検討され、側溝にたまった汚泥の除去や放射性物質を洗い流すなどの活動が見込まれる。放射線に対応する陸自化学防護隊など300人程度の派遣が想定され、12月中の2-3週間程度の短期間で活動を完了する予定だ。 「これは自衛隊でなくても、民間業者でも十分できる内容だ
北沢俊美防衛相は25日の防衛省災害対策本部会議で、東日本大震災の被災地に派遣した自衛隊について「10万人態勢をどの辺から減勢していくかという検討に入ってもらってもいいのではないか」と述べ、10万人態勢の縮小検討を同省幹部に指示した。 北沢氏は「本来任務が少し心配になってきている」と、本土防衛や別の災害派遣への備えも必要との認識を示した。同省は被災地の一部市町村と態勢縮小に向けた調整を開始。民間輸送力が回復してきているとして艦船や航空機から撤収を始め、大型連休前に10万人を切る見通し。ただ、事故対応が続く東京電力福島第一原発の周辺など、陸上自衛隊を減らせない地域もあるという。 自衛隊は菅直人首相の指示を受け、先月18日から陸海空10万人態勢で生活支援や行方不明者の捜索を実施。25日現在の派遣規模は陸海空合わせて10万6250人、航空機499機、艦船51隻にのぼる。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く