「同時退場」してまだ3カ月足らずの鳩山由紀夫前首相と小沢一郎・前民主党幹事長を約160人の同党所属国会議員が取り囲み、「気合だ」の掛け声とともに歓声をあげる--。19日、長野県軽井沢町にある鳩山氏の別荘で開かれた懇親会の光景をテレビ映像で見て、「この時期、一体何をやっているのか」と違和感を覚えた人は多いのではなかろうか。しかも、党内の一部では9月の党代表選に小沢氏の出馬を求める声が強まっているという。 勘違いぶりに驚くほかない。 与党の代表選は実質、首相を選ぶ選挙だ。言うまでもなく小沢氏の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件はまだ決着していない。小沢氏が強制的に起訴される可能性がある検察審査会の議決が今秋に控えている。首相に就任すれば野党は連日、この問題で攻め立てるだろう。果たしてこれまで一度も国会の場で事件の説明をしていない小沢氏が乗り切れるだろうか。国会は直ちに動かなくなる公算の