■ 参議院選挙の投票一週間前である。 メディアの関心は、政治家の「政策」を伝えるよりも、「失言」をほじくりだすことに集まったようである。 与党有力者の「失言」はネタにされやすい。野党政治家も同じ頻度で「失言」を繰り返していると推測されるけれども、ニュースにする価値がないから伝えられない。その差が選挙情勢にも反映されている。 政治家は、何故、「失言」をするのか。 それは、日本が民主主義体制の国家であるからである。 おそらく、政治家が有権者に噛んで含めるように所信を説明しようとすればするほど、「失言」のリスクは高くなる。「噛んで含めるように所信を説明する」折には、有権者の理解を助けるために、何らかの「喩え話」を使うものであるけれども、その「喩え話」が下世話なものになることが往々にある。いわゆる「高尚な議論」は、そのままでは、有権者には受け容れられないことが多いのである。 「失言」が、多くの場合