09/05/16 皆さん、こんにちは。 ある時期から『昭和』というものに強い興味を持ち始めました。50を過ぎてからでしょう、遅いです。きっかけは司馬遼太郎先生の「台湾紀行」を読んだことです。あの本は私に歓喜を与えた点において、画期的な書物でしたね。李登輝という方と、八田與一という方を知ったことです。 司馬さんが李登輝総統を、手放しに近く惚れぬいて書いているのに、何と危険なことだろうと思いました。生身の政治家を、(裏も表もあるだろうに)、まかり間違えば司馬先生の(人物眼という、作家の根幹にかかわる)評価を逆転しかねないものでした。司馬先生が、それを認識しなかったはずはありません。あの作品において私は、司馬先生は、作家のイノチを掛けたと思います。李登輝という人に掛けたのだろうと。そして李登輝という方が類い希な、高潔かつ辣腕の政治家であることを納得するのに、時間は掛かりませんでした。司馬さん