日本銀行が今年4月に発表した全国企業短期経済観測調査(日銀短観、3月調査)によると、情報サービス業の雇用人員判断DIは「-15」と全産業平均の「-1」を大きく下回った。雇用人員判断DIは、回答企業の雇用人員の過不足についての判断を、業界ごとに指数化したものだ。マイナスの数値が増えるほど、その業界で人手不足が深刻であることを示す。今後も、IT業界では人員が逼迫しそうなことを、調査結果は示している。 背景にあるのが「アベノミクス」だ。2012年12月に安倍晋三首相が就任して以降、積極的な金融緩和などで景況感が好転。5月以降、為替や株価が乱高下するなど不安要因が出てきたが、国内企業のIT投資意欲は回復しつつある。この傾向が、IT業界での人手不足という形で顕在化しているわけだ。