「死を迎えるために最後に行く場所」というネガティブなものもあれば、「苦痛を緩和して楽にしてくれる場所」や「看護師による手厚いケアを受け、家族や親しい人たちと過ごせる場所」といったポジティブなイメージの方もいるかもしれません。 いずれにしても、人生の最終段階の時間を尊重され、ゆったりと安楽に過ごせるというイメージは共通しているのではないでしょうか。 しかし、この「終の棲家」ともいうべき緩和ケア病棟から「追い出された」と訴えられる事例が増えてきているのです。いったい、日本の緩和ケア病棟に何がおきているのでしょうか。 元気になったのに絶望に落とされたAさんの物語Aさんは、60代の女性。結婚はしましたが、40代で離婚したのち、一人で生活をしてきました。社交的な性格を生かして、保険の外交員を長年務め、何度も表彰されるほど優秀な社員だったそうです。 しかし、50歳になったころ、胸にしこりがあることに気
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