■ 汝の隣人 少し抽象的な話。 まったくもって世の中に絶対的な価値などありはしない。という命題は発せられた時点で既に矛盾しているのだが、僕の中ではこの考え方はかなり自信をもって言える部類に入る。これはアメリカという国の成り立ちにも似ている。自由を謳う者は、それに反する者の自由をも認めなくてはならないという矛盾を孕んでいるからだ。しかしアメリカは非民主的であることを許さない。これはアメリカという国の存続に関わる問題だからだ。同じように僕の中でも、僕自身の存続に関わる問題として、「世の中には絶対的な価値がある」という命題については認めるわけにはいかない。たとえ僕の考えが「間違い」であったとしてもだ。 物の価値を決めるのは個人の主観であり、これを押し付けてくる人には辟易する。僕が「価値がある」と認めるものは他人にとってはまるで価値がないかもしれない。それを承知の上でレコメンドすることは特に問題な