豊崎 『文学賞メッタ斬り!』をお読みの方ならご存知かと思うんですけど、わたしは大森望のフリスビー犬とか言われていまして。「さあ、トヨザキ、取ってこい!」と危険なネタを投げられるたびに、勇んで自分から取りにいって、最終的にたいへん損をする役回りになってます。そして、要らぬ敵ができていく(笑)。 大森 それだとまるで僕に責任があるみたいだけど、要らぬ敵を作るのはもともと豊崎さんの得意技でしょ。『そんなに読んで、どうするの?』の巻末特別袋綴じがちゃんと証明してるじゃないですか。ええっと、これ、いつの話でしたっけ?……2001年でしょ。『文学賞メッタ斬り!』のはるか前じゃないですか。豊崎由美はとっくの昔に凶状持ちだった。 豊崎 あ〜、そういうこともありましたねえ。 大森 せっかくのそのキャラを生かす方向で演出しているわけです。 豊崎 これはですね、わたしは「直しますよ」って言ったんですよ、