東京都多摩地域における井戸水の有機フッ素化合物(PFAS)汚染は、長期間にわたって広範囲で続いてきた可能性が出てきた。水道水に使われる水は、人々の健康や生命の安全に直結するはずだが、市民団体の再三の指摘にも都の動きは鈍い。背景には、国内ではPFASの明確な健康基準が定められていないことや、汚染源の可能性がある米軍基地への立ち入り調査が難しいことがある。(松島京太) 有機フッ素化合物 PFOSやPFOAなど多数あり、総称はPFAS(ピーファス)。水や油をはじく性質があり、泡消火剤や塗料、フライパンのコーティングなどに幅広く使われてきた。環境中でほとんど分解されず、人や動物の体内に蓄積されやすい。がんや心疾患による死亡リスク上昇との関連や、出生体重が減少する恐れが指摘され、近年、国際的に使用の禁止や規制が進む。日本の水道水などの暫定目標値はPFOSとPFOAの合計が1リットル当たり50ナノグラ
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