『第5回ポプラ社小説大賞』で4年ぶりの大賞を受賞し、鮮烈な作家デビューを飾った俳優・水嶋ヒロの処女作『KAGEROU』。本名・齋藤智裕名義で執筆し、ペンネーム・齋藤智として素性を隠して職業欄も無記名で応募し“実力”で審査員らを驚嘆させた。選考事務局は水嶋の作品を「テーマは命。ジャンルを飛び越えた新しい小説」と高く評価する一方で、処女作らしく荒削りな面もあり、内容の“斬新さ”ゆえに賛否両論もあったという。最終的には「それをも凌駕する書き手のパワー」が大賞の決め手となった。 【写真】約2か月ぶり公の場 水嶋らが出席した授賞式 別カット 400字詰めの原稿用紙で388枚にも及ぶフィクション小説『KAGEROU』は、1日に行われた受賞会見で坂井宏先社長が「自殺する男を止めて、命を助けようとする物語」と口を滑らせた以外、詳細は公にされていない。坂井社長は「先の読めない時代だからこそ、見通しの利く