熊本県水俣市議会で19日、水俣病に関連した質問が「議題にない内容」だったとして発言の取り消しを求める動議が出され、保守系会派などの賛成多数で可決された。市議会事務局によると、このような理由による削除は前例が確認できないという。 削除されるのは、野中重男議員(共産)の12日の一般質問での発言。水俣市などで10月に開かれる国際会議で、「水俣病の教訓」を掲げ、水銀の使用などを規制する新条約が採択される。これに関連し、行政の対応が遅れて被害が拡大した水俣病の歴史を踏まえ、「情報が広く国民に知らされていれば多くの被害者の発病や差別、偏見、風評被害も防げたのではないか」などと市にただした。 ところが、原因企業チッソ出身の塩崎信介議員(新政同友クラブ)が19日の本会議で「発言はすべて簡明にし、議題外にわたってはならない」との規則に反しているとして動議。9対5で可決し議長が削除した。 野中議員は事前