先日、熊本県立、熊本市立の両図書館で、本の貸し出しを巡って納得のいかない体験をした。 熊本在住の著者が1980年に福岡の出版社から出した評論集を借りるため、まず県立図書館へ行った。同館は3冊所蔵するが、本県ゆかりの本として「郷土資料」に指定しており「館内での閲覧はさせるが、貸し出しはさせない」という。熊本市立図書館も、所蔵の1冊を郷土資料と指定して、同様の扱いだ。それ自体は私にも理解できる。30年も前の本だ。万一汚されたり、紛失すれば取り返しがつかない。 問題はこの先である。 この本は福岡県立や福岡市立図書館などでは貸し出してくれる。私は事前にネットでそれを調べておいた。だから隣県の図書館からの取り寄せを頼んだ。ところが、地元の図書館が所蔵しているのに、他県の図書館から送らせることはできないという。もちろん、この本が地元図書館になければ取り寄せてもらえる。 つまり福岡県民が自由に借りられる