1833年の津波について記された「御家老方等諸事留」(左)と「輪島并近浦津波一件」(ともに近世資料館所蔵)。ともに展示は見送られた 金沢市玉川町の市立玉川図書館近世史料館で、古文書から近世の自然災害の被害規模や、復興策を振り返る企画展が開かれている。 東日本大震災後、災害対策への関心が高まっていることを受けての企画だが、石川県内で起きた津波や地震の史料は「住民の不安をあおる」として展示が見送られた。住民が自主防災に取り組む際の基礎資料になりうるだけに、情報公開のあり方を巡って論議を呼びそうだ。 企画展は「古文書に見る災害 ―復興と救済・支援―」(9月11日まで)。近世に起こった全国各地の災害と、当時の救済策を記した所蔵文書約40点を展示している。1750年に能登で起きた洪水の被害状況や、1710年に金沢で発生した火災の焼失範囲を記した絵図、1896年の三陸地震に伴う津波の被害状況の絵図など