発生から14年余りを経て、東京電力の女性社員殺害事件が新たな展開を見せた。事件当日に第三者が現場にいた可能性を示す新たなDNA型鑑定結果は、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)の有罪を覆す証拠となるのか。えん罪だと主張する支援者たちが「再審開始に向けた大きな一歩」と期待する一方、検察幹部は「直接無罪につながるものでない」と強気の姿勢を崩さなかった。 事件発覚は97年3月19日。渋谷区円山町の木造アパートの空き室で女性の絞殺体が見つかった。この部屋を借りる手続きを進め、所有者から鍵を預かっていたマイナリ受刑者が、直後から捜査線に浮上。マイナリ受刑者は同22日、無実を訴えるため警視庁渋谷署に出頭したが、翌日に不法滞在容疑で逮捕された。5月20日には不法滞在で有罪判決を受け、同日中に強盗殺人容疑で再逮捕された。 97年10月14日の東京地裁の初公判で、マイナリ受刑者は「私はいか