前回は,25~34歳の自殺量の国際比較をしたのですが,それより1段下の15~24歳の状況にも関心が持たれます。シューカツ失敗自殺に象徴されるように,わが国では,学校から社会への移行期の危機が強まっているといわれます(たとえば22歳)。 今回は,15~24歳の自殺の国際比較をしてみようと思います。この層は,子どもと大人の狭間にあり,社会において果たす役割を見つけることを期待される青年層です。以下では,青年ということにいたしましょう。 自殺量の指標ですが,まずは,自殺者がベース人口のどれほどに相当するかという,自殺率を出しましょう。それとあと一つ,死因全体に占める自殺の比重も計算してみます。最近の日本では,青年層の死因の半分が自殺などといわれますが,他国ではどうなのかに興味を持ちます。 私は,WHOの“Mortality Database”にあたって,計算に必要な数値を79か国分収集しました。