『ゼロ・トゥ・ワン』という本は、 私がスタンフォード大学で2012年に行った 講義をもとにしたものなのですが、 起業について教えたり本を書いたりするとき、 ひとつ、大きな課題となることがあります。 それは、「起業は科学ではない」ということです。 科学というのは、同じ事象が再現できて、 はじめて成立するものです。 ある条件でくり返せるからこそ、 実験によって検証、分析できる。 それが、科学なのです。 一方、ビジネスやテクノロジーの歴史は、 厳格な意味での科学ではありません。 ビジネスにおいても、テクノロジーにおいても、 その歴史における一瞬一瞬というのは もう二度とは起こらない、 ただ一度しか起こらないことだからです。 第2のマーク・ザッカバーグ(facebookの創業者)が ソーシャルネット・ワーキング・サイトを スタートさせることはないでしょう。 第2のラリー・ペイジ(Googleの創業
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