希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫) 作者: 山田昌弘出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/03/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 89回この商品を含むブログ (82件) を見る コメント 一読して判るように、本書の時代認識は、以前に当ブログでも取り上げた高原基彰「不安型ナショナリズムの時代」とほぼ一致している。というか、同書が本書から強い影響を受けているということなのだろう。これらに共通する時代認識は、今でも多くの若年格差論の重要な骨格を成しており、この問題を(景気循環的な観点からではなく)歴史的な視座から捉えることの有力な根拠となっている。この様な時代認識、特に労働やグローバル化に関する見方*1についての批判は、既に行った高原本への批判で概ね事足りていると思う。 著者の言う「パラサイト・シングル」は、豊かさの中に潜む貧困の可能性を指摘し