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ブックマーク / dlit.hatenadiary.com (9)

  • 掛け算の順序と自然言語の対応についてちょっとだけ - 誰がログ

    はじめに これもはてブなどで微妙に書く書く詐欺を働いてきた件なので少しだけ書いておきます。 この問題については以下のページが参考になります。ページタイトルを見るだけで何が問題にされているのかわかるのが良いですね。 かけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきである 幅広く議論と情報が蓄積されているので全部読むのは大変ですが、気になった方はまずこちらをじっくり読むのが良いのではないかと思います。 念のため、以下の議論はこの掛け算の順序問題の大勢には影響ないのではないかと今のところは考えています。言語と認識/思考の関係などについて興味のある方などお暇つぶしにどうぞ。このブログでは普通なのですが「ちょっとだけ」とか言ってるわりには結構長いです。あとまだまだ荒い議論なのであくまでも参考程度に。 問題は何か 僕が気になっているのは、次のような考え方です。 (1) 掛け算の順序は対応する

    掛け算の順序と自然言語の対応についてちょっとだけ - 誰がログ
  • 三上章とその著書、あるいは三上文法に関する読書案内(おまけ付き) - 誰がログ

    はじめに 読書案内 庵功雄 (2003)『『象は鼻が長い』入門』 益岡隆志 (2003)『三上文法から寺村文法へ』 金水敏 (1997)「4 国文法」『岩波講座 言語の科学 5 文法』 そのほか 寺村秀夫はどのように三上章の後継者か 「主語」の議論にフォーカスし過ぎるのは三上文法の過小評価では 「主語」に関する辞書の記述 日語文法事典 日語学大辞典 中間まとめ:三上の扱い おまけ1:「は」とか「主題」とか 「は」と主題の話なら山田孝雄も 「主題」を表す手段は様々な言語に様々な形である この辺りの読書案内 おまけ2:三上文法に関連するあれこれへの私見 主語廃止論と学校文法 ピリオド超え 三上の「土着文法」は日語特殊論の対極にある 生成文法は主語を絶対視しているか 「「は」は主題」で当に分かりやすいか おわりに 書いてみて 研究者・専門家のみなさま 引用文献(三上の著書を除く) 長いで

    三上章とその著書、あるいは三上文法に関する読書案内(おまけ付き) - 誰がログ
  • 言語の研究者はことばの規範とどう付き合う(べき)か,についてちょっとだけ - 誰がログ

    はじめに 下記の話題に関して,「言語の研究者は(軽々しく/何があっても)ことば遣いに関する規範に口出しするのは良くない」という反応を見かけたので,関連して今の自分の考えを少し書いておこうと思いました。 togetter.com 解説や問題の整理という類のものではなく,実際の研究者がどう考えているかということの1例だと思ってください。とりあえず以下ジェンダーに関わる話はぜんぜんしていません。というか書いた後に思ったのですがとてもごちゃごちゃしているので,もっと良い議論ができる人の叩き台になれば僥倖です(叩けるほどの強度もないかも)。 言語学と規範 言語学の入門では,どれくらい詳しくやるかは差があるでしょうが,必ずと言っていいほど「言語学は規範的ではなく記述的である」というような話が出てきます。重要なポイントの1つなので,内容をかなり絞り込んで作った下記の「言語学入門入門」でも取り上げています

    言語の研究者はことばの規範とどう付き合う(べき)か,についてちょっとだけ - 誰がログ
  • ラーメンズで言語学(2):「熱が出ちゃって」「どこから?」述語と項のお話 - 誰がログ

    ブログ開設10周年記念エントリの第二弾です。第一弾はこちら dlit.hatenadiary.com 結局2016年内には書けませんでしたが、一応ブログ開設日には間に合ったということで。 ちなみにラーメンズで言語学の第一弾は dlit.hatenadiary.com 5年以上前ですね…まあこのブログでは珍しいことではありません。 当はもっと関連文献や推薦図書について調べて盛り込みたかったのですが、それだといつまでたっても書き上がらないのでもうこれで公開してしまうことにしました。 …ってこれ書いてたらラーメンズからYouTubeで動画が見られるようになったとの発表が! 小林賢太郎からのメッセージ | KENTARO KOBAYASHI WORKS | 小林賢太郎のしごと なんと素晴らしい。さて、 【注意点】 当然のことながらネタバレを含みます。 いわゆるお笑いのネタを学問的な題材にする、野

    ラーメンズで言語学(2):「熱が出ちゃって」「どこから?」述語と項のお話 - 誰がログ
  • 役割語と翻訳、「外国人」のステレオタイプに関する読み物をいくつか紹介 - 誰がログ

    はじめに 下記の記事が話題になっていて気になったので、簡単な(断片的な)読書案内などしてみます。色々考えていることもあるのですが、今いろいろなものに追われまくってて詳しく書く余裕がありません… 女性の言葉を変に翻訳するのをそろそろやめてほしい。|Yuka Masuda|note 役割語について簡単な読書案内を書きました。基礎文献の ヴァーチャル日語 役割語の謎 (もっと知りたい!日語) 作者:金水 敏岩波書店Amazonについてもこちらをご参照ください。 役割語(キャラクターとことばの結びつき)に関する簡単な読書案内 - 誰がログ 社会言語学、社会学、ジェンダー論、翻訳・通訳論から同じような問題を取り扱っているも色々あるのだと思いますが、僕が詳しくなさすぎるのでここでは取り上げないことにしました。特に社会言語学、ジェンダー関連については誰か補足してくれないでしょうか。 おすすめ:金水

    役割語と翻訳、「外国人」のステレオタイプに関する読み物をいくつか紹介 - 誰がログ
  • 日本語特殊論絡みで少しだけ - 誰がログ

    「日語ってすごい普通よ。すっごい普通。音も形態も統語もどれもすごくよくあるもので、「極端に単純」でも「極端に複雑」でもない、何というかとても没個性的な言語です」 - Togetter なんか盛り上がっていたようなので少しだけ。の紹介とか。前に書いたエントリなかったかなと思ったんですけど日語特殊論についてはあまり書いてなかったよう(そんなに詳しく調べてないけど)。 感想としては、言語学にある程度なじみのある人なら、こういう反応になるかな、というところ*1。gorotakuさんの書き方というか表現が強すぎると感じる人もいるみたいですど、こういう話って言語学/日語学に関する「神話」の1つみたいなところがあるので、カウンター気味に強い言い方になっちゃうというのはよくわかります。自分で書いたらやっぱりこんな感じになるかもしれません。 言語学者に突っ込まれたら 思っていなかったところからその道

    日本語特殊論絡みで少しだけ - 誰がログ
  • 書評は難しい&方言(コスプレ)のはなし&卒論についてもちょっとだけ - 誰がログ

    思いつくまま書いていたらまとまらない話になってしまった。 最近、初めて専門誌に研究書の書評を書く機会をいただいた。今最終段階なので、よほどのことがなければ、そのうちここでも紹介できると思う。 これまでブログなどでは簡単な書評めいたものを書いてきたけれど、やはりというか難しかった。何を書くかにもよるけれど、研究論文よりきついかも、と思ったほど。 書評とその対象 そんな中、ある書評を読んでああこんな方法もあるのだなとうならされたので紹介。それは、下記の書評である。 日高水穂 (2015)「田中ゆかり著『「方言コスプレ」の時代―ニセ関西弁から龍馬語まで―』」『日語の研究』11(1): 36-41. 対象になっているは下記の方言のエントリでも紹介したもの。 地域とことば:福島の方言は東北方言か?に便乗(読書案内付き) - 誰がログ 「方言コスプレ」の時代――ニセ関西弁から龍馬語まで 作者:田中

    書評は難しい&方言(コスプレ)のはなし&卒論についてもちょっとだけ - 誰がログ
  • 「激おこぷんぷん丸」の形態的分析試案 - 誰がログ

    ついったーで「激おこぷんぷん丸」の国語教員による分析・品詞分解が話題になっていて、 www.yukawanet.com どうなのかなあ、みたいなことをつぶやいていたのですが、けちだけつけていてもあれなので即興で分析。 以下の内容は関連文献の調査とかしてませんので細部は結構適当なところもあります。色々叩いて遊んでみてください。 前提と方法 先頭の要素から分解しながら、その要素をどう考えるのか少し考察する。ちなみに 語:≒自由形態素。単独で句・節・文の構成要素になることができる 接辞:≒拘束形態素。単独で句・節・文の構成要素になることができず、自由形態素にくっついて現れる という粗い定義を採用している。 「激」 「激だ」「激を」などの用法は今のところ見つかっていないので接頭辞とする。 「強い」「はげしい」といった意味で漢語の構成要素となる(例:激痛、激減、激戦、…)のが一般的であると思われるが

    「激おこぷんぷん丸」の形態的分析試案 - 誰がログ
  • 翻訳とキャラクターと言葉と役割語 - 誰がログ

    以下のまとめを読んで。 「翻訳された女」は、なぜ、「~だわ、~のよ」語尾で喋っているのか。 - Togetter まとめた@nofrillsさんもはてブのコメントで指摘されていますが、タイトルに例示されている「女性ことば」は第一の論点では無いように感じました*1。僕の理解では、主な論点は次の二つ(誤読してたらすいません)。 他言語から日語への翻訳の過程において、日語の方の言葉遣いで過剰な/余計なキャラクター付け(を意図した表現)が追加されてしまうことがあること。 その言葉遣いが、実際にはあまり使用されていない場合や、実際には特定の属性/キャラクターと結びつくようなものではない場合があること。 一点目は言語研究から見てもとても面白いテーマだと思いますが、翻訳自体、専門分野ではないので言及は自重*2。二点目に関しては言語研究、日語研究に親しみのある方なら「役割語」というキーワードが思い浮

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