(前回のエントリー) ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(1) 下記の書評翻訳の続きです。*1 ジョセフ・スティグリッツ「倫理的なエコノミスト」(Foreign Affairs 11-12/2005) 半歩の前進と躓き グローバリゼーションの貧困への衝撃に関する議論において、フリードマンは、たとえグローバリゼーションが国内の不平等の拡大と結びついてきたとしても、グローバルには貧困と不平等の削減につながる、との見方を支えてきた。その分析には3つの不備がある。第1は、貧困の定義に関係する。世界銀行が様々な観点から強調しているように、貧困は単に所得の問題ではなく、不安定と声を出すことができないことも、その要素の一部にある。フリードマンの分析は、完全に、これらの次元を無視している。 第2の批判は、何がグローバリズム本来の問題とはいえず、特別な政策にともなわれたものなのか、という点に関